【Earthworks ETHOS】レビュー。配信に特化した音作りのエンドアドレスコンデンサーマイク

マイクレビュー

Earthworksから販売されているETHOSについてレビューを行っていきます。

数あるマイクの中でも放送品質のマイクであることを前提としたマイクがETHOSですが、音質よりも見た目の良さで気になったので購入しました。

ETHOS イチオシポイント

  • 聞き辛さに繋がる余計な高域は潔くカット
  • 穏やかな近接効果で距離による音質変化が少ない
  • 近くの音に対しては拾う範囲 (スイートスポット) が広い

結論から述べてしまうと、今ではド定番の配信マイクであるSM7Bと対等に張り合える性能を誇ったマイクがETHOSだと言い切れるくらいには、即戦力であり超実用的なマイクです。それもそのはず、価格も本国ならギリギリ同価格帯のマイクでライバル製品です。

あくまで、『高い=良いマイク』というわけではありません。しかし、配信に必要な装備や音作りを詰めていくとSM7B級の価格がアンダーラインになっていくのかなと思わされるくらい、ETHOSも良い意味で雑に扱えるマイクその2になりました。

配信用ではない『歌用のマイク』を買ってしまう前に、一旦立ち止まってまで見てもらいたい要注目な製品ですよ。

さらに詳しい説明をしていきたいので、早速ETHOSを細かくチェックしていきましょう!

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ETHOSとは

ETHOSはEarthworks製品の中でも『XLRストリーミングマイク』として販売されている製品です。

そもそもEarthworksは測定用マイクなどを販売しているメーカーで、ガチンコのマイク屋さんです。

そのマイク屋さんが『ゲームチェンジャー』として投入したマイクがETHOSです。後ほど詳しく解説していきますが、事前に特徴を紹介しておきます。

余計な高域を排除

  • 歯擦音やリップノイズが含まれる高域は潔くカット

穏やかな近接効果

  • 距離による低域の強弱が少なく音質が一定に保ちやすい

指向性とは裏腹にスイートスポットが広い

  • マイキングにもよるものの顔の向きが変わっても音質変化が少ない

Triad-Orbit M2-Rを採用

  • 実際に音楽制作の現場で使われるボールジョイントのマウントを活用し自由なポジショニングを実現

メーカーのHPにも記載がありますが、実際にこの特徴通りになっているなら『ストリーミングの現場向き』であると評価ができそうです。

スペック

形式コンデンサーマイク
14mm
装備Triad-Orbit M2-R
ウィンドスクリーン
指向性スーパーカーディオイド (超単一指向性)
感度-34dBV/Pa
周波数特性20Hz〜30kHz
対応コネクターXLR
質量610g
マウントタイプ5/8ネジマウント、3/8ネジマウント
マイクスタンドやブームアームスタンドに対応

購入した理由

今回はTriad-Orbit M2-Rを購入したことがきっかけです。このM2-Rというのはボールジョイントのアダプタなんですが、別のマイク用に購入してみたところ、めちゃくちゃ使いやすかったんです。

そもそもTriad-Orbit M2-Rを知ったのはETHOSについて調べていたからなんですが、そのときはETHOSを買う気が全く無かったんです。しかし、M2-Rを試してその考えは変わりました。

こんな実用的なボールジョイントのアダプタを採用したマイクってもしかして超実用的なのでは?

あれ?もしかして本命のマイク見逃してる?とある種の危機感を覚えました。

ほんとのところは、コンデンサーマイクなので管理がめんどくさいなあとかいろいろネガティブな要素はあったんですが、一旦その考えは置いておいて実際に試してみてその価値を感じてから評価することにしました。

というか過去に候補で上がってもコンデンサーマイクだからということでパスしてたんですよね。そのマイクをまさかの購入するという自体が起こったんです。

ちょっとした事件だよ!

購入したETHOSをチェック

それでは島村楽器で購入してきたETHOS君とご対面です。

あっさりパッケージ

今回購入したのはETHOS STAINLESS STEELです。実はBLACKもあります。

オシャンなのはSTAINLESS STEELだと思ったので、目立たなさよりもオシャンな選択をしました。

ちなみに代理店の保証書を入れるために、一度代理店が開封した製品しか出回っていないはずです。

箱がボロいのは島村楽器で長期保管されていたからですが、楽器屋さんで買ってもこれくらいのクオリティーになるので、ガチンコ新品を求めるPCゲーマーの方は要注意です。

展示品をそのまま販売するなんて日常茶飯事なので、意外と新品の定義について良い意味でゆるいのが楽器です。

中身が無事ならなんでもエエかと思うことが大事です。中身にしか価値はありません。ただシリアルナンバーも記載されているので、箱は捨てずに取っておいたほうが良い気がしますね。

付属品

同梱物

  • Triad-Orbit M2-R
  • ウィンドスクリーン
  • 変換アダプター

箱にも記載があったようにTriad-Orbit M2-Rが装着されたETHOSが収めらていました。

保証書も同梱されていて、代理店の2年保証つきらしいです。

取り扱い説明書等は無く、マイクについて知識がある方向けな梱包になっているように思えますね。

外観を詳しくチェック

ここからはETHOSのデザインや装備についてチェックしていきます。

洗練されたデザインと装備

ETHOSはステンレス製のボディが特徴的なマイクです。それだけではなく、外径も細く、洗練されたデザインであることが伝わる魅力の多い製品になっています。

金属的な光沢で見た目が良いため、顔出しでカメラへの映り込みを気にする場合でも良い選択肢だと思うんですが、装飾に無駄が無く情報量が少ないため視界に入っても邪魔に感じにくくする配慮がされていると感じました。

マウントにもTriad-Orbit M2-Rが採用されているため、実用性とデザインの両立が可能になっています。

人によっては派手に感じるかもしれません。そういった方にはBLACKがおすすめです。

背面もとてもスタイリッシュで音楽制作向けのマイク感は皆無です。背面からマイクを写した場合でも情報量が少なくてスタイリッシュさを邪魔しません。

ちなみに設計から製造まで全てメイド・イン・USAなので、USA製品を使ってみたい方はちょうど良い製品です。

実用的なウィンドスクリーン

ETHOSには高い質感のウィンドスクリーンが装着されています。質感はSM7dBのRK345Bとかなり似た感触になっていると思います。

分かりにくいですが、先端が2層構造になっていて息や風が分散されるようになっています。

ウィンドスクリーンを取り外した部分にも息や風を分散させるメッシュが取り付けられています。変色しているのは溶接したからっぽいです。

さらにその枠組みを取り外すとカプセル部分が出てくるんですが、そちらにも息や風を分散させるメッシュが取り付けられているので、至れり尽くせりな風防と言ってしまってもよさげな装備になっていますね。

使用感

ここからは配信用途でのアームによる使用感について詳しくチェックしていきます。

視界を遮らない細身のエンドアドレス

ETHOSはコンデンサーマイクですがエンドアドレスのマイクです。そして、細身な設計になっているため、その他の配信向けマイクと比較しても特に視界に入りにくいです。

ボディ自体も長めになっているので、マイクアームのマウントから距離が稼げてクリアな視界を保ちやすいです。

ウィンドスクリーンの外径はSM7Bと同じくらいなので、やっぱりライバル製品の良いところを意識している感じは伝わってきますね。

ゲーム配信となると、一般的な家庭環境での録音がメインになるため、雑音対策のためにも口元から3cmから5cmくらいのマイキングが理想的になってきますが、そのマイキングでも邪魔にならない工夫がされているというのは音質以上に大事なポイントだと思っています。

配信向けと言いながら視界の邪魔になるような設計のマイクはとても多いです。配信向けを名乗るのであれば邪魔にならない設計・構造の採用はマストななんじゃないでしょうか。

自由度の高い取り回し

ETHOSにはロゴが変更されたTriad-Orbit M2-Rが装着されているため、ボールジョイントによる自由自在な位置調整が可能です。

ネジを緩める必要はありますが、ネジの緩め具合で動きの渋さも調整できるため、狙った位置へマイキングしやすいです。これはETHOSどうこうと言うよりもM2-Rの良いところですね。単品で¥6,000くらいで販売されている高品質なマウントなだけあります。

高品質なマウントを実現するために、プロの現場で重宝されている製品を採用するのはとてもいいアイディアだと思いました。

M2-Rは、SM7Bのようなヨークタイプのマウントよりも視界に入りにくいので、M2-Rを採用するメリットは大きいです。

また、ジョイントの長さがより長くなったM3-Rという製品もあるため、見た目を損なわず取り回しの改善の余地も残されています。

ただ、少しお高めです。M2-Rで問題を感じなければ、マウントについては文句の付け所は無いと思いました。

音声サンプルと音質傾向のチェック

ここからはマイクとして肝心なETHOSの音質について、管理人が録音した音声サンプルを確認しながら詳しく見ていきましょう。

音声サンプル

手持ちの配信向けオーディオインターフェイスのApogee BOOMで録音した音声です。

  • マイク距離は口元から3cm
  • 口の脇からマイキング

Apogee BOOMに接続したETHOS音声サンプル

  • マイクゲイン 26dB
音声が流れます。イヤホンかヘッドホンの使用を推奨します。

不要な打鍵振動やファンノイズは全く聞こえてきません。吹かれの心配は無く、部屋鳴りも極めて少ないため音響が調整されていない部屋でも質感の高い音声が録音できます。

また、スーパーカーディオイドと言いながら、キーボードの打鍵音はけっこう聞こえてきますが、使っているキーボード (DrunkDeer G65) の打鍵音がかなり大きめということのほうが改善すべき部分でしょう。

それよりも、スーパーカーディオイドでありながら、指向性の範囲から外れたときに音質が変化しないという特徴を評価したほうがいいマイクなので、そちらを比較してみます。

正面と側面からの音質変化

配信等で顔が動いてしまい、ある程度指向性から外れたオフ気味のマイキングになったときを想定して、真正面と真横から音声を録音しました。すべて配信向けなエンドアドレス構造のマイクなので、集音性という実用性の部分を比べていきます。

ETHOS

音声が流れます。イヤホンかヘッドホンの使用を推奨します。

DynaCaster

音声が流れます。イヤホンかヘッドホンの使用を推奨します。

GoXLR Mic

音声が流れます。イヤホンかヘッドホンの使用を推奨します。

PodMic

音声が流れます。イヤホンかヘッドホンの使用を推奨します。

SM7Bの音声は確保できませんでしたが、管理人がレビューしてきた配信向けダイナミックマイクと比べると、その差は圧倒的であることが伝わると思います。

ETHOSは側面から話しかけたときのレベルが正面から話しかけたときのレベルと大きな差がありません。音質は側面から話しかけたときのほうが高域が強く出ますが、実用には全く問題ありません。

この実用性を持っていながら、カーディオイドのマイクとキーボードの打鍵音の拾い具合は同じということなので、いかに優れた指向性を持っているかが伝わると思います。

そして、近接効果もとても穏やかです。近づいたときと離れたときで音質変化がそこまでありません。

近接効果の音声サンプル

音声が流れます。イヤホンかヘッドホンの使用を推奨します。

コメントを読み上げるためにサブモニターへ視線と顔の向きを移しても、音質変化が少ないことが約束されるだけでなく、顔をトラッキングするために、顔にかぶらないようなマイキングをしたい配信者にもおすすめのマイクと言えます。

その他のマイクと音質比較

ETHOS

音声が流れます。イヤホンかヘッドホンの使用を推奨します。

SM7B

音声が流れます。イヤホンかヘッドホンの使用を推奨します。

DynaCaster

音声が流れます。イヤホンかヘッドホンの使用を推奨します。

GoXLR Mic

音声が流れます。イヤホンかヘッドホンの使用を推奨します。

PodMic

音声が流れます。イヤホンかヘッドホンの使用を推奨します。

ETHOSはその他の配信向けマイクと比較しても高域の不快な部分がカットされているため、歯擦音やリップノイズが少なく、EQで音作りをしなくてもそのまま配信で使える音声になってくれます。

低域についてはその他の配信向けマイクと同様に、音抜け具合に応じて量感の調整をハイパスフィルターで行う必要はあるかもしれません。

自分がモニターした環境では、使用者の多いShure SE215では低域が籠もって聞こえたため、ハイパスフィルターを100Hz付近に設定して配信したいです。

低域の調整以外については全く不要と言えるレベルになっているのは流石、測定用マイクメーカー様々です。EQの知識が全く無くても使い切れるマイクになっているので、マイクに詳しくない方こそ恩恵を受けられるんじゃないでしょうか。

まとめ

ETHOSについてレビューを行ってきました。

測定用マイクメーカーが作ったということだけあって、圧倒的な実用性の高さを誇るマイクです。

販売価格はやや高めではありますが、SM7Bとプリアンプのセットから少し足が出るくらいではあるので、異常に高いかと言われるとそうでもありません。

おすすめできるのはこんな方

  • EQ調整について興味が無い
  • ラフなマイキングがしたい
  • 録音ミスを減らしたい

視界を遮りにくく、吹かれの無いウィンドスクリーンが付属して、自由度の高いポジショニングができて、距離が変わっても変わらない低域、歯擦音やリップノイズが少ない高域と、ほんとにそのまま使えるマイクです。

あえてマイクに詳しくない方にプッシュしたいくらい扱いやすいマイクなんですが、コンデンサーマイクではあるので、正しい扱いが必要です。できればデシケーター的なものを用意して適切な管理をして大事に使うマイクです。

しかし、そのデメリットを払拭できる性能を確実に持っています。だからこそマイク好きな方にはドハマりするマイクには間違いありませんし、マイク好きな方なら使い切れる性能とその実用性に納得させられるでしょう。

『配信しながら録画もする』的な、録音ミスが許されない使い方が一番おいしいのかと思っていますが、個人的には最大のおすすめポイントはラフなマイキングが許される懐の深さです。

外出する機会も増えたことで、今自分の配信に来てくれるリスナーさんは本当に自分のことに関心を示してくれる方たちです。そんな方に聞き取りやすい音声を還元するのはとても良いことだと思います。

最近だと1万円台のイヤモニも普及してますし、そのこだわった趣味性の高さはきっとリスナーさんに伝わると思いますよ。

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この記事を書いた人
komugipowder

元イネ科アレルギーのkomugipowderです。ゲーミングPCの周辺機器・配信用機材・ガジェットのレビューをしています。みっちり愛を込めて使い込むことをモットーとしたレビュー記事を書いています。配信機材は分かりにくい製品が多いので、設定方法や困りごとの解決・お役立ち情報も発信しています。広告収入を活動資金にして運営しています。

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