【sE Electronics DynaCaster】レビュー。コンパクトだけど機能が豊富で音量が取りやすい配信向けダイナミックマイク

マイク

sE Electronicsから販売されているDynaCasterについてレビューを行っていきます。

みなさんダイナミックマイクはお好きでしょうか?

今回レビューを行うDynaCasterは、ほぼコンデンサーマイクみたいなダイナミックマイクです。

sE Electronics DynaCaster イチオシポイント

  • フロントアドレス型で視界を遮りにくい
  • コンパクトで取り回しやすい
  • DYNAMITE プリアンプで音量の問題が発生しない
  • 2つのEQスイッチを搭載
  • 着脱可能な3層のポップフィルターを内蔵
  • 特許取得のショックマウントも内蔵

結論から述べてしまうと、DynaCasterは理想の装備を持たせたダイナミックマイクです。ダイナミックマイクによくありがちな『音量が小さい・音量が取れない』問題が発生しても、プリアンプが内蔵されているため、簡単に+30 dBまで音量を確保することができます。

それ以外にも、周波数特性がほとんどコンデンサーマイク並みになっているのも特徴です。そもそも『話し声』を想定したチューニングになっていて、歌用のダイナミックマイクのような音質的な不自然さもありません。また、SHURE MV7のようなフロントアドレス型になっているため、視界を遮りにくく、ディスプレイを見ながらマイクでおしゃべりをするような『ゲーム配信』にとって、極めて相性が良いです。

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sE Electronics DynaCasterとは

DynaCasterはフロントアドレス型でカーディオイド (単一指向性) のダイナミックマイクです。

カーディオイド (単一指向性) とは?

カーディオイド (単一指向性) とは、マイク正面からの音だけを拾うことができる指向性のことです。マイク背面の音も若干拾うことができますが、側面からの音は拾いにくくなっているため、環境音がなるべく入らないようにマイク音声を相手に届けることができます。

また、ダイナミックマイクは感度が低く十分な音量が得られないこともありますが、DynaCasterは常に+30 dB確保できるDM1 DYNAMITEを装備しています。

ダイナミックマイクとは

繊細な音は拾いにくいですが、耐久性が高く雑に扱っても壊れにくいマイクです。

周囲の音・環境音・雑音・生活音も拾いにくいため、目的の音だけを集音したい時に使われています。ライブパフォーマンスやカラオケのマイクはダイナミックマイクです。

スペック

種類ダイナミックマイク
装備ショックマウント
ポップガード
指向性単一指向性 (カーディオイド)
周波数特性20Hz〜19kHz
EQスイッチ低域と高域
対応コネクターXLR
マウントタイプ5/8インチ27ねじマウントのマイクスタンドや
ブームアームスタンドに対応

購入した理由

前回レビューしたApogee BOOMを有効活用するために購入したのが最大の理由です。

DynaCasterを購入するまではSHURE MV7をXLR接続して使っていたんですが、どうせならもっとコンパクトで視界を遮りにくくケーブルマネジメントもスッキリさせたいと思うようになりました。

ぶっちゃけ音質面ではSHURE MV7に不満は無かったですし、Apogee BOOMは音作りができるので、ほんとに使い勝手を向上させたいという理由がメインですね。

SHURE SM7Bだと価格的に少しやりすぎかなという思いもありました。

管理人と同じように、予算的にSHURE MV7以上のクオリティーで、価格はSM7B以内でなんとかしたいと思っている方も多いんじゃないでしょうか。

結果的に大当たりだったので、そういう方はじっくり検討してみたほうが良いです!

届いたDynaCasterをチェック

それでは我が家に迎えたDynaCasterを見ていきましょう!

コンシューマー向け感のある箱

ちゃんとデザイン性のある箱で来た!

なんということでしょう。今まで購入してきたプロ向け製品は素っ気ない箱をしていましたが、DynaCasterはコンシューマー向け製品のように製品がアピールできるようなデザイン性のある箱になっています。

裏面を見てみてもしっかり製品の仕組みや仕様についてこれでもかというほど詳細に書かれています。sE Electronicsというメーカーがそういう方向性なんでしょうか。

パカッと開けるとしっかりと梱包されたDynaCaster本体と付属品たちが顔を出します。

同梱物

同梱されていた付属品は以下の内容です。

付属品

  • 取り扱い説明書
  • ステッカー
  • ポップガード

外観を詳しくチェック

ここからは箱から取り出したDynaCasterのデザインや外観についてチェックしていきます。

シリカゲルと同居

シリカゲルと同居中のDynaCasterですが、手に持った大きさはほんとにコンパクトサイズで取り回しが良さそうな感が満載です。

しかし、筐体はすべて金属製になっているので、重さはずっしりあります。マイクアームの特性上、コンパクトでも重さが無いと取り回しが悪くなってしまうので、重たいほうが良いんですよね。

適度な大きさ

DynaCasterとSHURE MV7を並べてみました。MV7はSM7B用のウィンドスクリーンが装備されているので大きく見えますが、純正のポップガードであれば長さ自体はそこまで大きな差があるわけではありません。

マウントの構造が異なるので、その分小さくコンパクトになっています。

コンパクトなマウント

DynaCasterのマウントはネジで挟んで止めるタイプのヒンジ的な構造になっています。

マウントにはXLR端子とマウント接続部分が装備されていることもあって、すべて金属製になっています。

ショックマウントは内蔵されているわけですが、この部分には振動を吸収するような要素は確認できないので、カプセルが宙ぶらりんになっているということなんでしょうか。

激近なXLR端子と接続用ネジ部分

コンパクトなマウントにはXLR端子とマイクアームやスタンドに接続するためのネジが装備されています。このレイアウトだとスタンドでもアームでもケーブルマネジメントが最短になるようになっているので、スタイリッシュな見た目の維持が期待できます。

また、プリアンプのDYNAMITEを有効にする場合はファンタム電源が必要になっています。その注意書きもフィルムに書かれていました。

DynaCasterの使用感

ここからはDynaCasterの実際の使用感について詳しくチェックしていきます。

口元へ近づけやすい形状

DynaCasterは構造上マイクのてっぺんに向かって話しかけると最も良好な集音ができるようになっている『フロントアドレス型』のダイナミックマイクなので、口元へ近づけやすいです。また、プリアンプであるDYNAMITEを搭載するため、そこまで口元へ近づけなくても音量が取れます。

配置の自由度が高く、多くの環境にマッチさせることができます。

個人的には口元の脇に配置し、横から差すように集音させて、なるべく視界に入らないように使うのがおすすめです。コンデンサーマイクのように視界に入ってきて邪魔ということは起こりません。

ケーブルもスッキリ

DynaCasterはXLR端子がマウント接続部と同列に配置されているため、マイクを上から垂らすように配置するとケーブルを余らせてはみ出させること無く設置できます。見た目がスッキリとスタイリッシュにできるだけでなく、なるべくケーブルが視界に入らないようにできるため、実用性が高いです。

ただ、注意点として端子がアームのどこかしらと干渉して、回転方向の可動域が狭くなる可能性があります。管理人の環境ではBlue Commpassを使用していますが、ケーブルのNEUTRIK端子が干渉してしまい回転方向の調整が制限されています。

DynaCasterは本体にそれなりな重量があるため、Blue Commpassのような重たいマイクでないとまともに固定できないマイクアームでも快適に使用することができます。しかし、関節部分の張り出しが大きいです。よっぽど同じように干渉するんじゃないでしょうか。

そうは言っても、SM7BでもDynaCasterと同様に、けっこう無理やりなケーブルの取り回しを行うことになると思うので、これはマイクの問題というよりもアーム側との相性問題ですね。

一応、マイクアームの根本クランプの位置を工夫すれば口元への角度は調整できるので、環境に合ったマイクアーム選びは必要かもしれません。

音質と音声サンプル

ここからはマイクとして最も重要なDynaCasterの音質について、管理人が録音した音声サンプルを確認しながら詳しく見ていきましょう。

結論から述べてしまうと、プリアンプの能力が素晴らしいです。爆音で録音できます。条件が合えばですが、良い意味でそこまで良いオーディオインターフェイスを使わなくてもいいかもしれません。

音声サンプル

音声サンプルを用意しました。短い音声ですが是非参考にしてみてください。

素のまま録音しました。音声が流れます。イヤホンかヘッドホンの使用を推奨します。
ハイパス設定を変更して録音しました。音声が流れます。イヤホンかヘッドホンの使用を推奨します。

この音声は筆者が実際にDynaCasterで録音した物です。

マイクの距離ですが、口元から3cmから5cmになるようにしてあります。

同じセリフを2回言っていますが、2回目はキーボードを両手でランダムに連打しています。

EQの設定が初期状態そのままだとデスクの振動音を拾ってしまったので、ある程度ハイパスで低域をカットする必要があるように感じました。これは環境によるかもしれません。

デスクの下にタワーPCを置いていて、360mm簡易水冷のCPUクーラーを使っていますがファンの回転音は入っていないことが確認できると思います。部屋鳴りも入っていないので声だけ集音できています。

内蔵されたポップガードも十分な性能で、ボフボフ言いません。

環境と音量について

管理人の環境・オーディオインターフェイスは前回レビューしたApogee BOOMです。

本体EQ設定は左のスイッチを下に下げた状態にしてあります。写真だと上がってますが、キーボードの振動を避けたかったので下げました。

そして内蔵プリアンプを有効にした状態で録音しましたが、かなりゲインを下げてもいいくらいの音量で録音できました。ゲインは15ですが、話し声でも十分すぎるほどの音量が取れます。Apogee BOOMではMAX62までいけるので、ぶっちゃけDynaCasterのプリアンプは過剰でした。

ただ、プリアンプを有効にした状態だと、ノイズを増幅させることなく音量が取れる仕組みになっています。もともと音量が十分に取れるオーディオインターフェイスを使っている管理人の環境でも、まったく意味が無いわけではありません。

ケーブルはAudio Technica BX9です。

めちゃくちゃ抜けが良い音質

管理人の環境ではという話になるかもしれませんが、めちゃくちゃ明瞭な音質で、ほとんどコンデンサーマイクかと思えるような音質になっていると感じました。その分キーボードの音も結構拾ってはいますね。

それってええんか?という話になりますが、モコッともせずビリっと歪もせず、常に輪郭がはっきりしているので、いろんな音が鳴っている状況でもしっかり声は埋もれず抜けてくれるのでゲーム配信とは相性がとても良いと思います。以前に使っていたSHURE MV7よりもシャキシャキして個人的にはDynaCasterの方が使い勝手が良いと思えます。

音質目当てで買っても全く問題ない品質です。

まとめ

sE Electronics DynaCasterについてレビューを行ってきました。

今回はApogee BOOMでEQを若干変更して録音したわけですが、一応、本体にもEQスイッチが装備されているので、本当に僅かにではありますが、プラグインソフトでEQがいじれなくても、特性を変更できるようになっています。

同価格帯のSHURE MV7・MV7XにはEQスイッチは非搭載ですし、プリアンプも内蔵されていないので、低価格帯のオーディオインターフェイスを使うと音量が足りないかもしれません。オーディオインターフェイスに予算を割きたくない方にはDynaCasterがかなりおすすめです。

あとは単純にコンパクトでスタイリッシュです。視界を塞ぎにくく、使い勝手はとても良いです。

sE Electronics DynaCaster まとめ

  • コンパクトで視界に入りにくい
  • ケーブルの取り回しもスタイリッシュ
  • 音量問題が発生しない

ただ、適正価格が謎です。2万円台で買えるところもあれば4万円台で販売されたりもしています。 (記事執筆時点)

内容的には、実勢価格1万円台のプリアンプ『DYNAMITE DM1』を内蔵しているわけなので、2万円台で買えるときに買えば正直ぶっ壊れ性能かなと思いますが、4万円台であれば適正価格かと思います。良い意味で音質に癖が無いので、オーディオインターフェイスを使って高音質な話し声を録音するならSHURE MV7Xを買うよりもDynaCasterをおすすめしたいですね。

なによりも全く歪まず、コンデンサーマイクに音質が近いにも関わらず、音を拾う範囲は狭くてポップガードもショックマウントも内蔵してるので、コンデンサーマイクより圧倒的に扱いやすいです。

おしゃべりをしたいだけなら、見た目が嵩張らずシャキシャキした音声が録音できるDynaCasterが再有力候補ですよ。

ココが良い

  • コンパクトでスタイリッシュ
  • めちゃくちゃ音抜けが良い
  • ダイナミックマイクだけどプリアンプを内蔵
  • 環境音を拾いにくい

ココはイマイチ

  • 振動耐性は弱めかも
  • 価格がよくわからない
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この記事を書いた人
komugipowder

元イネ科アレルギーのkomugipowderです。ゲーミングPCの周辺機器・配信用機材・ガジェットのレビューをしています。みっちり愛を込めて使い込むことをモットーとしたレビュー記事を書いています。配信機材は分かりにくい製品が多いので、設定方法や困りごとの解決・お役立ち情報も発信しています。広告収入を活動資金にして運営しています。

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