配信向けのマイク選び【マイクの種類編】

マイク

コンデンサーマイクかダイナミックマイクのどちらが配信に向いているのでしょうか。

結論、周波数特性だけの話ならどちらでも良いんですが、それ以外の特性を考慮するとダイナミックマイクに分があるというのが管理人の見解です。

音質だけの話ならゲームサウンドと被ってくるとぶっちゃけどっちでも良いかなと思えてきます。差がわかりにくいです。

それ以外の『用途にマッチしているか』を考えると差は圧倒的だと思います。

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komugipowder

元イネ科アレルギーのkomugipowderです。ゲーミングPCの周辺機器・配信用機材・ガジェットのレビューをしています。みっちり愛を込めて使い込むことをモットーとしたレビュー記事を書いています。配信機材は分かりにくい製品が多いので、設定方法や困りごとの解決・お役立ち情報も発信しています。広告収入を活動資金にして運営しています。

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マイクの種類による向き不向きについて

コンデンサーマイクは用途が幅広く、ピンマイクやショットガンマイクなどが存在します。録る距離に合わせた使い分けが可能になっているため、ケースに応じた選択が可能です。ラージダイアフラムかスモールダイアフラムかでも特性が大きく変わります。サイドアドレスの製品が多いです。

ダイナミックマイクは用途が限定されていますが、ムービングコイル型ではあれば、大音量の楽器を録音したり声を録音したりするのにとても相性が良いです。近距離での録音は特に向いています。また、リボンマイクなら繊細な音も拾えます。エンドアドレスの製品が多いです。

ただ、配信となるとそこまで奥深いマイクの世界を理解しなくても問題ありません。最大SPL、最大SPLを考慮したマイキング、マイキングによる環境音対策の優劣、マイキングによる視界への入り込みやすさの優劣を説明します。

周波数特性よりも重要なこと

環境音を極力小さくしたいならエンドアドレスのマイクを選んでください。

エンドアドレスのマイクを3cmくらいのクローズマイキングで使えば環境音はゲームサウンドで掻き消えるからです。また、エンドアドレスであれば視界の邪魔になりません。ヘッドセットに近い感覚で使うことができます。

音質差が気になる?

高音寄りだ低音寄りだの部分は、正直なところEQで調整することを前提とされている部分でもあるので、録ったまま使うということを前提にしていないマイクも多いです。マイクはほぼ楽器です。調理用の素材を録音する機器だと思うと早いかもしれません。

例えばボーカル向けなのか、楽器向けなのかで必要になってくる高域の強調具合が大きく変わります。

コンデンサーマイクの多くは高域のきらびやかさを押し出した『より音楽的』な音作りになっていることも多いですし、ボーカルレコーディングであれば録音した音にEQ、ハイパス、ディエッサーなど適切な処理を施すことが一般的です。

ダイナミックマイクも音楽的な音作りをした製品は音抜けの良さを重視して高域が強調されがちです。処理をしないのであれば音楽的な音作りのマイクを選ぶ必要はありません。

また、マイキングによっても音を変えることができます。遠ざけるor近づけるで、EQをいじったレベルで音を変えられます。ただ、配信で必要になってくるマイキングで使える音になるかどうかは別問題でもあります。

そういうことで、『配信向け』のマイクを選んだほうがいいですね。配信で即戦力な音作りになっていることが多いからです。

配信向けのマイクの中でもエンドアドレスのマイクを選択します。視界の邪魔になりにくいです。用途にマッチしています。

環境音の入りやすさ対決

配信向けのカーディオイドのダイナミックマイクとスーパーカーディオイドのコンデンサーマイクを録音して比べてみました。

比べたのは配信で多く使われるShure SM7dBとストリーミングマイクと銘打ったEarthworks ETHOSです。どちらもエンドアドレスのマイクです。

ETHOS

SM7dB

結果として、スーパーカーディオイドのコンデンサーマイクであるETHOSの方が環境音を拾いにくかったです。

環境音の入りやすさはコンデンサーマイクかダイナミックマイクかという部分よりも指向性の部分の話です。

さらに言うと、指向性の正確さが勝敗を分けたと思えます。ETHOSの方が指向性は正確で、集音軸にある音を最も大きく拾ってくれます。少し離れても音質変化がありません。測定用マイクメーカーが配信向けに作った大人げないガチマイクなので当然といえば当然ですが、なんのために作られたのかも重要ですね。

周波数特性についてはSM7dBが音楽的な音作り、ETHOSがナレーション的な音作りです。配信で即戦力がいいのであればナレーション的な音作りの製品がいいです。

しかしエンドアドレスのコンデンサーマイクって

配信向けの指向性が正確なエンドアドレスコンデンサーマイクなら別に良いということが言えますが、配信向けエンドアドレスコンデンサーマイクは選択肢が壊滅的です。ほぼサイドアドレスです。

エンドアドレスなETHOSも80,900円のコンデンサーマイクで、一般ゲーマーの選択肢とは言えません。

よって消去法にはなりますが、エンドアドレスであることが前提なダイナミックマイクを選ぶ、となることが一般的だと考えます。

ただダイナミックマイクならなんでもいいかというと、そういうわけでもないということを知っておいてほしいです。

指向性は製品差のほうが大きい

指向性はコンデンサーマイクかダイナミックマイクかよりも、製品差のほうが大きかったです。

カーディオイドのダイナミックマイクを複数録音して比べてみましたが、狭めなカーディオイドの製品もあれば広めなカーディオイドの製品もありました。

ただ、音楽向けに販売されている『ガチなマイク』は正確な指向性が得られる傾向にありました。

指向性は価格が反映される

いくつかマイクを試していく中で、低価格なカーディオイドのダイナミックマイクは指向性の正確さに欠けると感じました。

集音軸の音を最も大きく拾うというのは変わらずそうなんですが、左右前後で鳴っている音はそれなりに拾いやすいという具合なので、サイドアドレスのコンデンサーマイクとそんなに性能差を感じることができませんでした。指向性が正確ではありません。程度問題こそあれど鳴っている音はなんでも拾います。

また、集音軸から外れたときの減衰が極端で、下を向いただけでも音量が極端に小さくなったりします。特にスーパーカーディオイドのダイナミックマイクは姿勢を固定しないと音量が極端にバラつきます。

つまり、顔の向きが変わるであろう配信などでは利便性が損なわれます。厳格なマイキングが実現できるからこそ性能を発揮できるということになります。カプセルのド正面を口に向けたとしても、顔の向きが変わるのでマイキングがキープできるわけではありません。

視界への入り込みやすさやマイキングを考えるとラフさも失われます。

スーパーカーディオイドのダイナミックマイクともなると、マイキングの知識が求められるので、ラフに使いたいならおすすめしにくいです。手に持って使ってねと言いたいレベルです。

できれば指向性が正確なSM7b以上を考えてほしいところです。SM7bなら斜めにマイキングをしても音質も音量も極端に小さくなることがありません。SM7b以下となるとsEのDynaCasterくらいですね。

近接効果も価格とトレードオフ

マイクに近づくと音量が大きくなるのと同時に低域も強調される『近接効果』の具合も価格が反映されるポイントです。

近接効果が強めだと、3cmくらいのクローズマイキングをするとモコッとしたこもった音になりやすいです。

そこで音抜けの良さを求めるべく、ハイパスフィルターを使って余計な低域をカットしたとします。その状態で離れたオープン気味なマイキングになると今度は低域がスカスカになります。

常に同じ位置で話せるなら低価格帯のマイクは手放しでおすすめできます。そうでないなら思い切ってピンマイクやヘッドセットのほうがいいんじゃないでしょうか。これはあくまで低価格帯から選ぶ場合です。

どこまでこだわるかにもよりますが、姿勢の変化が激しい方だと近接効果が強めなマイクは向いていないと思います。

マイキングで必要値が変わる最大SPL

配信では環境音を拾いにくくするためのマイキングが求められます。そうなると使えるスペックが限定されます。

3cmくらいの距離で使えば環境音はゲームサウンドに掻き消えます。つまり3cmの距離で使えるマイクを選んでください。

3cmの距離で130dB以上は欲しい

最大SPLというのはマイクが許容できる音量のことです。その音量を超えると歪んでしまいます。人間の声なら3cmの距離で最大135dBらしいです。

ゲーム配信となると、口元から3cmくらいのマイキングで叫んでしまったりするので、最大SPLを考慮したマイク選びか、マイクを遠ざけることで音量を越えないようにするアプローチが求められます。

マイクの距離が開けば、声の入力されるレベルが小さくなるため相対的に環境音を拾いやすくなります。マイクの距離と環境音はトレードオフの関係ということを忘れないようにしてください。

低価格なコンデンサーマイクは最大SPLが100dB、110dBという仕様であることが多いです。声の音量にもよりますが、3cmくらいのマイキングが難しい可能性があるということです。近ければ近いほど音量は大きくなるので、ゼロ距離マイキングではバリバリと歪むことが想定できます。10cmくらいの距離で使うこと前提です。

できれば3cmの距離で最大SPL130dBくらいのマイクがラフに使えるスペックだと思います。

近いわ!と思うかもしれませんが、ダイナミックマイクは距離を離してゲインを大きくするとサーというノイズがめちゃくちゃデカくなります。また、音量も稼げなくなるのでプリアンプの能力問題も出てきます。

距離を離してプリアンプを使うくらいなら、サイドアドレスのコンデンサーマイクでもいいです。どっちみち低価格帯のマイクでは指向性が正確ではないからです。そっちのほうが価格も安く済ませられます。

ただ、マイクが離れれば、相対的に『声x環境音の比』は環境音に寄っていくことを忘れないようにしてください。あとサイドアドレスは視界を遮るマイキングになりがちです。

用途に合わせて選んでね

予算の兼ね合いもありますが、用途に合わせて選んでください。

いくら良いマイクだからといって、なんでもかんでもSM7bで録音すればいいというわけではありません。カメラでの撮影ならRODEのショットガンマイクが定番です。

最近ではRODEのワイヤレスマイクが人気なようです。

用途に合わせて選んでいくことが『マイク』という機器のはじめにやることです。

わかりにくいですよね。

だからこそ配信ではShure MV7が定番ですし、人気なんです。そこそこの価格でオーディオインターフェイスが内蔵されたエンドアドレスのダイナミックマイクで、DSPを使ったEQ、コンプ、リミッターも利用可能です。最大SPLは132dBです。完璧ですね。

音響メーカーが投入している製品って伊達じゃないんです。説明が足りねーよとは思いますが。

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