【Acoustune RS THREE】レビュー。FPSゲームでも高解像度サウンドで音量を上げすぎなくてもきちんと音が聞き取れるイヤモニ

イヤホンレビュー

Acoustuneから販売されているMonitorシリーズのRS THREEについてレビューを行っていきます。

本来、アーティストなどがライブステージでステージモニタリングをするために使われるRS THREEを含むイヤーモニター(イヤモニ)ですが、癖の無い音質と優れた定位、コンパクトデザインで確かなフィット感が得られるインイヤーモニター(イヤモニ)という特性は、FPS ゲームにも適正があり、ゲーマーの使用者も多いです。

その中でもRS THREEは特に楽曲制作へフォーカスした製品で、スタジオモニターイヤホンとして展開されています。

今回はそんなRS THREEをFPSで使えるのかどうか、新定番に成り得るかどうかを踏まえながら、ゲーム用途としての使い勝手をレビューしていきます。

RS THREE イチオシポイント

  • とにかく高解像度な音色
  • ぼやけにくい輪郭のハッキリしたサウンド
  • 音像が近く鳴り方が把握しやすい
  • 柔らかく取り回しの良い1.8mケーブルを採用

結論から述べてしまうと、RS THREEは音楽制作向けということもあって、所謂モニターライクな音質です。硬さはあるもののとにかく分離が良く高解像度なサウンドで、音の距離も比較的近めです。特に低域の量感と輪郭のクッキリとした音像は、この価格帯とてしては考えられないくらい良質だと思いました。

FPSでは音の聞き分けが重視される場面が多いですが、その聞き分けに集中するあまり、聴力に影響を及ぼすレベルの大音量でゲームプレイをしている方も多いと思います。RS THREEは、あまり音量を大きくしなくても様々な音の聞き分けが可能です。

FPSで音の聞き分けを重視する、そんな方にまずおすすめしたいのがRS THREEだと言えるくらい聞き分けの面では秀逸なイヤホンになっています。

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RS THREEとは

RS THREEとはAcoustuneのモニターシリーズである、RSシリーズの二作目のイヤーモニターです。前作のRS ONEはステージモニター向けとしてラインナップしていますが、RS THREEは音楽制作向けとした立ち位置となっています。

6.3mm標準プラグも付属し、即戦力になるような付属品になっています。

スペック的にもハイレゾ音源の再生能力があります。(ハイレゾ対応は謳っていません。)

スペック

RS THREE
ドライバー9.2mm径密閉ダイナミック型ドライバー(ミリンクスEL-Sドライバー)
インピーダンス32Ω@1KHz
周波数帯域20Hz~40kHz
感度108dB@1mW
接続ケーブルPentaconn Earコネクター(Long-Type)
ハイグレードリッツワイヤーケーブル
3.5mm3極ステレオミニプラグ/6.3mm標準ステレオプラグ
ケーブル長1.8m
付属品6.3mm標準ステレオプラグ
イヤーピース
クリア

購入した理由

管理人はもともとイヤモニが趣味だったので、イヤモニでゲームをしています。

2020年以降に音響メーカーのエントリークラスなイヤモニがたくさんリリースされています。そんな中、AcoustuneのモニターシリーズであるRSの評判が良かったんですよね。一作目のRS ONEは今や定番となったIE 100 PROと比較される機会も多いんです。

しかし、RS ONEは、あくまでステージモニター向けだったわけです。管理人はどちらかというと、もっと高解像度が売りの製品が欲しいんです。

そんなときに発売されることになったのが、Acoustune モニターシリーズの二作目であるRS THREEです。

RS THREEはガッツリ音楽制作向けに作られたというイヤーモニターで、音楽制作をする人達はモニターヘッドホンだけでなく、イヤホンでも音の確認をするので、そんな場面に見合った性能になっているとのことらしいです。

管理人の欲しいポイントをグッと刺激してきました。

買わない理由が無い。そんなわけですぐに買いました。

届いたRS THREEをチェック

それでは届いたRS THREEをチェックしていきましょう。

飾りっ気の無い音楽制作向けパッケージ

さすが音楽制作向けとあって、溢れ出る業務用感があります。

RS THREEはコンシューマー向けというよりは、プロ向けの製品だと思われるためか、外箱はデザイン等が特にされていません。必要最低限な情報が記載されているだけになっています。

IE 100 PROも外箱は同じようなアプローチでしたね。

箱から中身を取り出してみてもほんとに無駄の無い梱包になっていました。

同梱物

付属品はケースの中に入っています。スペースの有効活用ですね。この辺はだいたいのイヤモニと同じです。

同梱されていた付属品は以下の内容です。

付属品

  • 取り扱い説明書
  • 6.3mm標準プラグ
  • イヤーピース

イヤーピースはシリコン製のAET07とフォームタイプのAET02が付属しています。

Acoustuneのイヤーピースはそもそも品質が高いため、付属品としては申し分ないと思います。

外観を詳しくチェック

ここからはRS THREEのデザインや装備について詳しく見ていきます。

超軽量なポリカーボネート製のシェル

RS THREEは樹脂の中でも堅牢性の高いポリカーボネートで作られています。軽く、硬く、イヤモニとして優れた性能をした素材です。透き通ったクリアでは無く、半ツヤくらいのクリアカラーなのも安っぽさを感じないため、質感はなかなかに高いです。

また、表面にはヘアライン仕上げのアルミのフェイスプレートを採用しています。音楽制作向けではあるものの、ビジュアルにも拘りを感じます。また、このフェイスプレートはシェルの剛性部材のひとつになっているそうで、見た目だけでなく堅牢性も同時に満たしています。

さらに汗や衝撃に強くするために限りなく部品点数を少なくしているため、全体的な外観もスッキリと美しく仕上がっています。

Pentaconn Earを採用

RS THREEのコネクタ部分はPentaconn Earコネクタになっています。MMCXよりも脱着での接触不良や故障に強いコネクターです。抜き差しも簡単ですが、使用中に外れてしまうことは絶対にありません。

IE 100 PROと全く同じ、Pentaconn Ear Long-Typeのコネクタです。IE 100、400、500PROのケーブルと互換性があります。

リケーブルの候補がなかなかありませんが、オーディオメーカー純正ケーブルが流用できるのはヘタなケーブルを購入するよりも分かりやすくて良いんじゃないでしょうか。

使用感

ここからは装着感を詳しく解説していきます。

良好な装着感

装着感の面において、最後発に近いモニターイヤホンということもあって完成度は極めて高くなっています。

RS THREEには定評のあるAcoustune製のイヤーピースが付属しています。装着感に問題はまったくありません。ウレタン製のイヤーピースも付属しているため、用途に合わせて選べるので、イヤモニの付属品としては文句無しだと思います。

ハウジングもなるべく耳に当たる面積は少なくなっています。軽量なこともあって、耳への固定のために僅かに接触する部分以外は装着していることが気になりません。

また、ノズル自体の太さはあるものの、イヤーピースの選択肢は広くなっています。管理人は普段Mサイズのイヤーピースを使うことが多いんですが、Sサイズでも耳奥に差し込むようにすれば問題なく使うことができます。若干の音質変化はあるもののSサイズを使うと遮音性がアップしました。

さすがにLサイズは耳にフィットせず隙間ができてしまい実用には至らなかったものの、付属のイヤーピースでもフィット感の不満は生まれにくいと感じました。

また、長時間着けていても耳穴がいたくなったり、ハウジングが耳のどこかに当たって痛くなってしまうということもありませんでした。

柔らかくタッチノイズの少ないケーブル

付属する1.8mのケーブルは、とても柔らかくタッチノイズが発生しにくくなっています。純正ケーブルの多くはビニール被膜でもツイストケーブルでは無いことが多かったりするので、ケーブルが衣服と擦れたときにボンボンとしたタッチノイズが発生しがちです。

RS THREEはツイストケーブルになっているため、タッチノイズは気になりません。1.8mの長さがあるケーブルなので、延長ケーブルを買わなくてもPCとの接続性も気になりません。

いろいろと探してみましたが、イヤモニのオプションとして1.6mのケーブルが購入できるようになっていたりはしますが、初めから1.8mのケーブルが付属してくるのはRS THREEくらいしか無いようです。

音質について

ここからはRS THREEの音質について追求していきます。

また当然のようにゲームでも使ってみたので、その感想も合わせて紹介していきます。

音楽鑑賞での音質

RS THREEの音楽鑑賞での音質は、若干硬さのあるフラットなモニターサウンドという印象です。まさにメーカーが狙った音質だと思います。

音像は近く、聞き取りやすい位置で定位します。いつでもどの音域も見渡しが良く、かつ聞き分けができます。

高域の出方については、サ行のような歯擦音が耳に刺さらないギリギリになっています。女性ボーカルの発音を聴き込んでみると、刺さりの確認に使えるということが納得できました。このイヤホンで刺さる音作りをしたのであれば、ちょっと不快な楽曲に仕上がっていそうだなと音楽制作をしたことが無い管理人でも予想することができます。

そうは言っても、当然このイヤホンで刺さる楽曲が無ければ刺さる感じは全く生まれません。あくまでサ行の刺さりの確認に使えるという話です。ドラムのハイハットの音やシンバルの音は確実に聞き取れる存在感はあっても、不快な出方はしていません。

良くも悪くもモニターサウンドとしてとても優秀です。キレや鋭さがあるため、のんびりまったり音楽鑑賞を楽しむというよりも、やっぱり聞き分けがしたいという目的なのだと思わされる部分が多いです。

低域もいつでも確実に聞き分けができます。ベースラインの確認はいつでもできて、どんなときでも探さなくても聴き出すことができてしまいます。超低域の部分はあまり出ていませんが、音像が近くブリブリとしたベースサウンドを聞き分けることができます。

しかし、正直、長時間の音楽鑑賞は音が聞き取れすぎて疲れると思う方もいるであろうというチューニングです。全体が溶け合ってアンサンブルになったというよりは、個々の音をしっかりと聞き分けるというサウンドになっています。ほんとに分離が良すぎますし、解像度も高すぎます。

イヤーピースをSサイズに変更すると超低域が聞こえるようになり、若干のモニターらしさを取り除くことができます。相対的に高域のシャリつきも増えてしまいますが、音楽も聞いたりするのであればSサイズのイヤーピースで超低域を聞こえやすくするといいかもしれません。

こうやって書いてきたことを冷静に考えてみると、実売1万円台のイヤホンと思えないクオリティーですね。

手持ちのモニターヘッドホン、ATH-M50xと比べてみても、鋭さやキレについてはさすがにATH-M50xと同等とはいきませんが、手持ちのダイナミックドライバーのイヤホンの中ではダントツです。ATH-M50xをぼやかしたらRS THREEと言ってもいいんじゃないでしょうか。

FPSでの音質

RS THREEは、近くで鳴る音像、高い解像度、明確な分離という要素が相まって、FPSでのサウンドプレイも問題なく行えました。細かい音の聞き取りはとてもしやすいです。

多くのゲームでは足音が中低域の周波数特性で構成されていることが多いです。RS THREEのモニターらしいフラットな特性は、音量の大小があっても聞き分けをするのに最適です。必要な時に必要な音が聞き分けのできる音量で鳴ります。

音場が狭く、淡々と鳴っているように感じてしまうと思えもするサウンドですが、すべての音が近くで定位するため、特定の音を探したり、意識を音へと過度に集中させる必要はありません。なるべく中央でまとまって聞こえてくるという部分は、サウンドを楽しむ臨場感というよりも効果音を聞くという使用感になっています。

ただ、小さな音を聞き取りやすくするために音量を大きくしすぎると、音像が近くで定位するため、特定の帯域がうるさく感じるかもしれません。足音が小さいゲームをやる場合、足音を聞き取りやすい音量にすると自分の銃声で耳が持っていかれます。

自分の銃声が耳に刺さらない音量でも戦闘中の音の聞き分けが可能なくらいの分離と解像感は持っているため、管理人の場合は一度音量設定の見直しが必要でした。

刺さるか刺さらないかギリギリの音量を探しましたが、こんな風に、コレ以上音を上げると刺さると明確に分かるのもとても優秀だと思いました。おかげで音量設定もしやすいです。

また、刺激的すぎるサウンドに感じる場合、付属のイヤーピースで交換をしてみると少しカドの取れた音質にしたり、臨場感を増やしたりすることが可能です。

この特性から、必要以上に音量を上げることを防げているため、過度な音量を回避することができます。長時間のゲームプレイになりがちなFPSプレイヤーの聴力低下対策アイテムとしても使えそうです。

定番イヤモニと比較してどうか

超定番なShure SE215や今では定番になったIE 100PRO と比較してみると、RS THREEは最もモニターしやすいサウンドになっています。

良くも悪くも味付けがありません。使えば音のディティールの確認で使うサウンドだと認識できるほどに音の輪郭がハッキリしています。

特に低域のディティールの輪郭描写はこのクラスでは考えられない良さがあります。

Shure SE215がどの帯域もうるさく感じない無難なサウンド、IE 100 PROが超低域と超高域に主張を感じるサウンド、RS THREEはどの帯域もクッキリと明確に聞き取れるサウンドになっています。

まとめ

RS THREEのレビューを行ってきました。

モニターという用途なら完璧です。高域の聞き取りやすさだけでなく、ベースラインの聞き取りのしやすさにはとても感動しました。

質感の高いイヤーピースが付属し、イヤーピースのサイズ感も汎用性が高いため細かな音質調整が可能になっています。臨場感を持たせるならSサイズのイヤーピースを試してみるのがおすすめです。

おすすめできるのはこんな方

  • 音楽を分析的に聴きたい
  • 臨場感よりも聞き分けのしやすさを求めている
  • ケーブルは長いほうがいい

RS THREEは、とにかく良くも悪くもきちんとモニターサウンドになった数少ないイヤーモニターです。音像は近く音場も広くないため、音楽を楽しんで聞くという用途には少し不向きかと思える部分もありますが、この価格帯ではありえないほどの解像度の高さと分離の良さを味わうことができます。

また、ゲームでは音像が近くに定位するおかげで、様々な音が鳴るゲームプレイ中でも音が聞き取りやすいです。音量を小さくしていても十分な解像度があるため、必要以上に音量を上げる必要がありません。

耳障りになりがちな超高域や超低域もあまり出ていないため、うるさく感じるサウンドにもなっていなません。強烈な爆発音が鳴るようなゲームでも相性は良いです。

その反面、楽しさを演出する臨場感を求めるなら物足りないかもしれません。あくまで音を分析的に聞くためのモニターイヤホンだと思うと失敗しにくいです。

付属のイヤーピースは高品質で、ハウジングも超軽量で耳穴に負担が掛かりにくいです。十分なフィット感で遮音性もバッチリなので、長時間着けていても不快感がありません。

また、柔らかく取り回しの良い1.8mのケーブルになっているため、よほど長さに困らされることもありません。不思議なことにゲーマーにも用途がマッチしすぎていますね。標準プラグまで付属しているので、コスパの面でもかなり良いです。

単純に製品のクオリティー自体が高いため、分析的に聞こえるサウンドさえ気に入るのであれば、1万円代では唯一無二なイヤホンです。

ココが良い

  • 音像が近い
  • 分離がめちゃくちゃ良い
  • 解像度が高く聞き分けがしやすい
  • 低域の聞き取りやすさがヤバい
  • 装着感がとても良い
  • 耳が痛くなりにくい

ココはイマイチ

  • 臨場感は演出しにくい
  • 良くも悪くも聞こえすぎる
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この記事を書いた人
komugipowder

元イネ科アレルギーのkomugipowderです。ゲーミングPCの周辺機器・配信用機材・ガジェットのレビューをしています。みっちり愛を込めて使い込むことをモットーとしたレビュー記事を書いています。配信機材は分かりにくい製品が多いので、設定方法や困りごとの解決・お役立ち情報も発信しています。広告収入を活動資金にして運営しています。

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