DrunkDeerから販売されているA75と、今後販売予定のG65についてレビューを行っていきます。
今回はDrunkDeer様からA75と新作G65のレビューサンプルを提供していただけたので、実際に使用感を詳しくチェックしていきます。
DrunkDeer A75&G65 イチオシポイント
- オーソドックスなデザイン
- ゲーム向けに最適化された打鍵感
- 押したらすぐ動く離すとすぐ止まる
- 大手メーカーより圧倒的にコスパが良い
結論から述べてしまうと、DrunkDeerのキーボードはストッピングが必要なゲームでマストな性能を持っています。
A75はFPSゲームだけでなく、それ以外のゲームもプレイするというPCゲーマーにピッタリのキーボードです。
F1~F12キーが無いと不便なゲームが多いこともあって、75%のレイアウトが普及しつつありますが、究極にゲーム特化の製品はありませんでした。そこに殴り込んできたのがA75というわけですね。
G65は65%レイアウトのキーボードで、長時間のゲームでも疲れにくい工夫がされています。よりFPSに特化した製品です。F1~F12キーの必要性を感じていないなら唯一無二の性能です。
『ゲームが好きでFPSもやるけどそこまでコストをかけたくない』『文字入力用とは別にFPS特化キーボードが欲しい』という方にはコスパの優れた実用性の高いキーボードです。
それでは詳しくチェックしていきましょう!
DrunkDeer A75とG65とは
DrunkDeerのキーボードは、VALORANTで流行している『ラピッドトリガー』機能を搭載したキーボードです。
キースイッチには磁気スイッチという、機械的なアクチュエーションポイントとリセットポイントが設定されていない、一般的なメカニカルスイッチとは大きく異なるスイッチを採用しています。
引用:DrunkDeerレビュアー向け資料より
そのため、トリガーされるポイント (押した時) とリセットされるポイント (離した時) が0.4mmから3.6mmまでの間なら自由に設定できるようになっています。 (記事執筆時点では0.4mm刻み)
リセットポイントは、キーが戻りはじめた時点から有効になるので、わざわざトリガーポイントまで戻さなくても指を離したことになるという点が、ストッピングが必要なゲームにおいてチート級に強いということで話題です。
また、各スイッチには独立したホールセンサーが装備されています。スイッチが押されると直接、MCUへ送信する仕組みになっていて、遅延も0.4ms (一般的なキーボードは6ms) と超低遅延なことも特徴です。
詳しいスペックはDrunkDeerの製品ページからも見れます。
A75を選んだ理由
パウブロでは以前からゲーマー向けに75%キーボードの素晴らしさを普及してきました。
75%キーボードはホットスワップ対応の製品も多いので、デザインさえ気に入ってしまえば、あとはゲーマー向けのスイッチに交換してしまうということもできます。
しかし、A75のような自由度の高いポイント設定が可能な磁気スイッチが取り付けられるわけではありません。一般的な75%キーボードは普通のメカニカルスイッチにしか対応していません。
A75は75%キーボードの中で希少な磁気スイッチを採用しています。ゲームに特化したキーボードという位置づけです。
そうなるとA75自体を試すしかありません。デザイン的にもオーソドックスな75%レイアウトで普段使いもしやすそうです。
今回はA75と一緒に何故かG65も送っていだけました。タイミングが良かっただけだとは思いますが、もしかしたらサンプルを試している人はとても少ないかもしれません。
届いたA75とG65をチェック
レビューをさせていただくことになったA75とG65が我が家に届きました。
シンプルなパッケージ
DrunkDeer A75の外箱は、オレンジとブルーパープルのグラフィックが特徴的なパッケージです。G65はサンプル品なので、パッケージではありませんでした。
A75のパッケージ自体も、マグネティックスイッチと書かれているくらいで、特に詳しい仕様については記載されていませんでした。
最近のゲーマー向けの製品は、購入前に仕様を深く知っている人が多いためかもしれません。かくいう管理人も、どんな製品か手元に来る前に下調べはしています。
ある意味で、ミスマッチを未然に防げる理想的な時代が来たのかもしれません。
箱を開けてみるとクイックガイドが入っていました。どうやら磁気スイッチなので、高温になるところ、強い磁気のものの近くには置かないでくれという注意書きがあります。
同梱物
付属品はとてもシンプルです。
付属品
- キーキャッププーラー
- Win用キーキャップ
- USB-C to Cケーブル
A75はデフォルトでMac用のキーキャップが取り付けられています。ゲーマーはほとんどWin環境だと思うので、開けたらすぐ交換したほうがいいですね。
G65はサンプルのため、キーキャップは付属してきませんでした。
外観を詳しくチェック
ここからはDrunkDeerのキーボードの外観を詳しくチェックしていきます。
オーソドックスなデザイン
A75は75%レイアウトです。カーソルキーとF1~F12キーも残されている実用的なコンパクトサイズです。
ボリュームノブもあるので、音量調整用デバイスとしても使えるようになっているため、地味に便利です。ノブは回し具合が重ためで誤操作に繋がりにくいです。
G65は65%レイアウトです。カーソルキーと一部のキーが残された、全角文字入力をしない方なら実用的なコンパクトサイズです。
まだサンプル製品ですが、スペースキーには『UNLEASH YOUR POTENTIAL』とデザインされています。翻訳すると『潜在能力を解き放て』的なニュアンスのようです。
DrunkDeerのキーボードは、性能こそゲームに特化していますが、樹脂製のケースといいキーキャップといい、デザインそのものは良い意味でよくある一般的なデザインのキーボードです。
2つで大きく異なるスタンド
A75には一般的な角度調整用のスタンドが取り付けられています。そして、すぐ気づいたんですがワイヤレス用のレシーバーを格納するスペースが設けられています。
今後はワイヤレス製品も考えられているようですね。
管理人は75%キーボードを4製品は試してきているんですが、その他の75%キーボードはワイヤレス製品であることが前提だったりするので、当然のようにキーボード裏面にはレシーバー格納スペースがありました。大抵は技適マークが無いんですけどね!
A75も、そもそもMac向けにも使えるようになっているので、ゲーマー以外にも提案していく予定なのかもしれません。どっちが本命なんでしょうかね。今後の動向が気になります。
A75のスタンドは1段階しかありませんが、スタンドを畳んだ状態でもそれなりに角度がつけられているので、多くの人は使わなさそうです。完全に畳んだ状態でもスペースキーの段がデスクと平行になる角度ですね。
スタンドを起こした状態は角度が急になりすぎて使いにくかったです。
G65のスタンドですが、角度調整用のスタンドではなく、特許取得済の衝撃吸収機能を持たせた足になっています。とてもユニークな設計で、いままで見たことがありません。
角度調整はできないようになっていますが、打鍵時の衝撃が吸収されるようになっています。詳しくは後の使用感と一緒に解説していきます。
A75からのレイアウトのみの変更かと思いきや、まさかの機能面がブラッシュアップされているのがG65です。
ケースを並べてみると、G65の方が厚みもあって角度についてはA75よりも僅かに急になっていますが、不自然さは全く感じません。とても使いやすく絶妙な塩梅です。
G65はCherryプロファイルもラインナップされるので、もう少しキーの高さを低くすることもできます。
Cherryプロファイルバージョンも送ってもらったので並べてみました。
僅かな差ではありますが、Cherryプロファイルのほうが背が低いため、手首の角度もなだらかになります。
選べるキーキャップ
今回はABSキーキャップバージョンも試しましたが、DrunkDeerのキーボードはオプションでPBT製のキーキャップも販売されるようになりました。G65はOEMプロファイルと少し背の低いCherryプロファイルの2種類から購入できます。
オプションからPBTに変更するのも良し、ベアボーンで購入してお気に入りのキーキャップを着けるのも良しです。注意点として、DrunkDeerのキーボードはFn2というオリジナルのキーがあります。その他のキーキャップには付属してこないので、完璧が良い方は購入時に選択しておいた方がいいでしょう。
後日PBTバージョンも送ってもらっていますが、今回はじめに送っていただいた製品にはABS製のキーキャップが取り付けられていました。
ABSキーキャップは手が乾燥しやすい方や、こだわりがそんなに無い方なら自然に使えるため、デフォルトのラインナップとして用意され続けるようです。
さわり心地はスベスベしていて不快感が少ないです。PBTキーキャップのザラつきが気に入らない方にもとてもおすすめです。
プロファイルはABSの場合、どちらも一般的なOEMプロファイルです。これまた特に大きな特徴があるわけではありません。多くのキーボードと互換性がある標準的な品質です。
ダブルショットではなく、透明のキーキャップに色付けをしたタイプです。とてもシンプルですね。
PBTのCherryプロファイルバージョンはダブルショットPBTキーキャップになっていました。文字部分の光を透過しませんが、落ち着いた印象を与えてくれます。
ダブルショットキーキャップ自体コストが掛かるものなので、はじめから着いてくるというのはかなりコスパはいいんじゃないでしょうか。またCherryプロファイルが取り付けられているキーキャップというのもけっこうレアな気がします。
また、前述したように、ABSキーキャップが必要無い方や、既にお気に入りのキーキャップを取り付けようと思っている方に向けて、キーキャップが取り付けられていないベアボーンも販売されています。
自分のスタイルに合わせて選べるようになっていますよ。
スタビのグリスアップ
A75のスタビですが、グリスの状況はけっこうカラカラに見えます。それでもカチャカチャ言わないので優秀です。
担当者様もDrunkDeerのキーボードは『変な音』が出ないように調整をしていると言っていました。
G65のスタビにはグリスが増量されていました。
担当者様もここは改善変更したと言っていました。カチャカチャ言わせないようにするだけでなく、ゲーム中の使用感の改善も行っているようです。
ゲームでの使用感
ここからはA75とG65の使用感についてチェックしていきます。
ぶっちゃけどっち?
まだサンプル段階ではありますが、ぶっちゃけどっちが良いの?という話にはなってくると思うので、先に言っておきましょう。
管理人は圧倒的にG65推しです。
- 小さくて極端な置き方ができる
- 軽いから動かしやすくて微調整が簡単
- 長時間の操作でも疲れにくい
特にDrunkDeerが新たに特許を取得した足が秀逸だと思っています。長時間使っていても指に負担が少ないので、自然とG65を使っていました。担当者様も自分がこのことに気がついたことを嬉しがっていました。
ゲーム性能自体は同じスイッチを使っているので、どちらもポテンシャル自体は変わりません。
G65の足は、ちょっと押し込んだだけでも沈むようになっていますが、指にかかる圧を減らしながら衝撃を吸収してくれるだけで、キーボードのダイレクトな操作感というのは失われない絶妙な調整になっています。
DrunkDeerの設計思想としても、『ゲーマーは指先の感触を大事にしていて、一般的なガスケットマウントだとゲーマーは嫌う、ダイレクトな操作性を保ったまま衝撃吸収をさせたかった』ということみたいです。
内部構造としてはこんな感じらしいです。
引用:DrunkDeerレビュアー向け資料より
使用感としても、まさにその通りだと思えました。ガスケットマウントと同じくらい沈んでくれはするんですが、キーを押し込んだ時のラグ的なものは感じません。硬いのに柔らかいみたいな、車の上質なサスペンションみたいな感じです。
たしかにガスケットマウントは考えようによっては、必要のない遊びのある機構ということにもなります。
その設計思想もあってか、A75は文字入力を繰り返していると、スイッチが底打ちをしたときの感触が硬くて、ガツガツとした衝撃が指に来る感じが強いです。個人的には長文のタイピングはシンドいと思いました。
ほとんどのゲーマーの方は文字入力をしないので関係無さそうなんですけど、1日で5000文字とか入力する方なら、A75のリジットな打鍵感はけっこうシンドいかもしれません。
ただ、遊びの無いリジットな操作感が欲しいというゲーマーも多いと思います。ここは用途に合わせて選んでいいんじゃないかと思いました。
ゲーム性能はどちらも圧倒的
引用:DrunkDeerレビュアー向け資料より
DrunkDeerのキーボードは専用ソフトから細かくトリガーポイントとリセットポイントが変更できます。現在は0.4mmから3.6mmまで0.4mm刻みで選択できます。
ラピッドトリガーも有効・無効が選べるので、必ずソフトをインストールしてください。
ソフトは鋭意改良中なので、UI等の操作性についてはまだ未完成です。意欲的にいろいろ弄り倒す気概のある方向けで、完璧を求める方は要注意です。
公式サイトはベータ版的なやつは即配布とはいかなさそうなので、最新版が配布されているDiscordサーバーに参加したほうがいいかもしれません。
今後はポーリングレート2000Hzと0.1mm動作を計画しているそうです。
実際にラピッドトリガーをゲームで試してみました。
— パウブロ | 配信機材とゲーミングPC周辺機器とガジェット (@powblo) August 26, 2023
VALORANTはアカウントレベル14という、ほぼ初心者の管理人がチームデスマッチをやってみたんですが、ストッピングを一切意識せずヨチヨチ歩いていてもビタっと止まって弾がまっすぐ飛んでいきます。
視点移動もままならず、適当にウロウロ歩いているのにビタっと止まっています。ある意味でカオスなクリップができました。
調整した点についても、トリガーポイントを0.4mmへ、Key sensitivity settingを0.4mmにしただけです。初心者でも痙攣みたいな謎の横移動が可能です。
VALORANTは弾がまっすぐ飛んでいかなくて苦手意識がとても強かったんですが、初心者でもキーボードでこれだけ変化が出るのは正直ヤバいんじゃないでしょうか。
Apex Legendsでも使ってみましたが、トリガーポイントをキーごとにずらせるのでスーパーグライドの成功率が上げられました。
— パウブロ | 配信機材とゲーミングPC周辺機器とガジェット (@powblo) August 26, 2023
しゃがみホールドのトリガーポイントを1.2mmへ、ジャンプを0.8mmへと、ジャンプよりもしゃがみを0.4mm深く設定するだけで成功率5割くらいから成功率8割くらいまでになりました。
環境的に強いかどうかは別として、エアストレイフもキレが増します。ミスが減って再現性が増しますが、悲しいことに遮蔽を使ったほうが絶対に強いです。
操作しているときの楽しさは確実にあるので、Apex Legendsをプレイする時は、細かいことを気にしないようにすることが重要です。
配置自由度が高いのも同じ
A75とG65はどちらもコンパクトサイズのキーボードです。テンキーレスサイズだとやりにくい配置ができるようになっています。
キーボードを極端な斜め置きできるので、プレイスタイルに合わせたセッティングが可能です。
個人的にはG65の方がより自由度が高いと思いました。F1~F12キーが無い分、モニタースタンドのギリギリまで近づけられます。ほぼ縦置きにしても干渉しにくいです。
前回レビューしたXL2566Kとも相性抜群です。
A75、G65は樹脂製ケースであること、バッテリーが内蔵されていないことが実用性に貢献しています。
軽く、微調整がしやすいです。頻繁に置き直す場合でも取り回しが良いです。個人的にはそういうこともあって樹脂製ケースが好きです。特に取り回し重視の場合ならG65がおすすめです。
モニターアームを導入している場合なら、A75でもどこかに干渉することなく自由度は高くて良いと思います。TKLよりは確実にコンパクトです。
打鍵感
DrunkDeerの磁気スイッチは、スプリングの変更もできるようになっているため、打鍵感は変化が出せるようになっています。今回はストック状態の使用感についてです。
少し重ためで反発も強め
DrunkDeerの磁気スイッチは、押し込んでいくごとに重たくなるリニア軸です。
感触としてはGateron Pro 黄軸 (少し重たい赤軸相当) と同じくらいだと思いました。ただ、ファクトリールブされていて静かなGateron Pro 黄軸とは違って、DrunkDeerの磁気スイッチは音量が結構大きめです。G65とA75で大きく変わることもありません。
G65は特許取得済の足が僅かに沈んでくれる影響で、底打ちした時の硬さは感じにくくなっています。A75は底打ちした時が少し硬めです。
また、G65の方はキーによって感触が違うことがありました。陶器の底同士を擦り合わせるような不快な擦れがあるキーもあったので、早々に利用頻度の低いキーと入れ替えています。
スイッチの重さ自体はゲームをするならちょうどいいです。連打しやすく返りも早めになっています。
ただ、リセットポイントを短くしすぎると、指から少し力を抜いただけでもリセットされてキャラクター動作に反映されてしまうので、ゲームによって適切なプロファイルへ切り替えたほうがいいです。
打鍵音
打鍵音はカタカタ系ですね。静音対策をしていない赤軸と同等ですが独特な音になっています。
DrunkDeerの担当者様いわく、『オフィスでの日常的なタイピングとは異なり、ゲームをプレイするときは、視覚的および聴覚的なフィードバックにより、より集中力が高まり、より夢中になれます。したがって、キーボードがカスタムキーボードのように聞こえることは望ましくありません。』とのことでした。
実際に打鍵していても『ちゃんと打鍵している感』が強く感じられます。キビキビとしていて適度な音量があることで、指へどれだけ力を込めているかというような感触は掴みやすいです。
吸音材は適切に仕込まれているようですが、あくまでゲームをやっているときに感触が薄れてしまうような調整は行われていません。イヤホンをしていて集中していても指に明確な感触があることで、信頼感のある操作ができると感じました。
打鍵している感は強いですが、スタビはきちんとルブアップされていて、変な音は鳴らないように調整されています。カチャカチャという安っぽい音は全く鳴りません。
エンターやシフトなどの大きめのキーは、大手ゲーミングデバイスメーカーのルブアップされていないゲーミングキーボードとは比べ物にならないくらい押し心地が良いです。
特にスペースキーの感触はめちゃくちゃ良いです。親指で押し込むだけなら自分が持っているキーボードの中で最も良いです。音量も小さくパコンパコン鳴りません。
ゲームだけで使うなら少し過剰くらいのクオリティだと思います。
ただ、執筆作業をするなら全体的に打鍵音は少し大きめなので、気になる方もいると思います。DrunkDeerのキーボードはイヤホンやヘッドホンを使うことになるゲーム向けの調整です。
これはPBTバージョンになっても同じです。
オフィスワーク向けで購入する場合は注意が必要です。
ABSキーキャップは脂多めになる
今回はじめに送っていただいたキーキャップはABSキーキャップだったので、耐油脂性が弱く、使っていくうちにオイリーでテカテカになります。
サラサラとして触り心地が良いというメリットはありますが、手汗で滑りやすくなります。手汗の多い方にはあまりおすすめできないかもしれませんね。
このサラサラ具合は手汗の少ない人にしたらちょうどいいかもしれません。あとは単純にさわり心地を求めるならアリです。
A75もG65もPBTのオプションが用意されるようですし、ベアボーンも選べます。
G65ならCherryプロファイルも選べるようになっています。
Cherryはさらなる打鍵感
G65のPBTキーキャップのCherryプロファイルバージョンは、ABSバージョンのOEMプロファイルよりも背が低いということもあって、指の触れる面積が広くなっています。
久しぶりにCherryプロファイルを使ってみましたが、個人的にはやっぱりOEMプロファイルよりも好きです。
見比べてみるとCherryプロファイルはOEMプロファイルの天面から短くしたかのような形状をしています。OEMプロファイルの底面を削って高さを低くしたわけではないので、平らな面が多くなっていることが特徴的です。
面積が広いおかげで、指を押し込んだときに指が潰れる範囲も広くホールド感が強くなるため、より少ない力で操作できているように感じられます。手首の角度もなだらかで、指の浮かせ具合も少なくてよくなるので予備動作が少なくて済みます。
連打するような動作は特に相性が良いと思いました。Cherryプロファイルは指を浮かせる量が少なくていいということが全体的なメリットだと思います。
また上の方でも紹介しましたが、Cherryプロファイルバージョンはダブルショットキーキャップになっています。文字を文字色の樹脂で形成した後に、文字以外の周りの樹脂を形成しています。物理構造的に文字が擦れて消えるということはありません。
PBTキーキャップはザラつきがあって手汗にも強いため、長時間ゲームをしていても指が滑りにくいです。用途に合わせて選んでみてください。
PBT=高品質というわけではなく、自分に合ったキーキャップから選ぶのが上手な選び方です。手汗には弱いですが、さわり心地だけならABSの方がサラサラしていて気持ち良いです。
G65なら高品質なケースということもあって、キーボードマニアでは無い限り純正ケースとPBTキーキャップの組み合わせで満足できる人は多いと思います。
完全ゲーム用途ならちょっと過剰な打鍵感と言えるかもしれません。
まとめ
DrunkDeer A75とG65についてレビューを行ってきました。
打鍵音は少し大きめで、ダイレクトな感触が特徴的です。個人的にはゲームをやるなら軽くて取り回しが良いG65でプレイ、執筆作業時は静かめな別のキーボードで作業といった2台体制の使い方をしていきたいです。
G65はゲームに必要なリニアで明確な操作性を確保しながら、指への衝撃をきちんと吸収してくれます。ゲームに特化したユニークなキーボードです。
おすすめできるのはこんな方
- 極限まで突き詰めたストッピングがしたい
- PCでゲームばかりしている
- ゲームとそれ以外でキーボードを使い分けたい
DrunkDeerのキーボードはFPSゲーマー向けのハイコスパキーボードです。一般的なキーボードと変わらない価格で最高のストッピング性能を得られます。それでいて打鍵感は確実に上回っています。
ただ、注意点があります。
敵・対戦相手にも使っている人が多いんじゃないかと思いました。
VALORANTで敵が目の前に出てきたかと思えば、ビタっと一瞬で止まって倒されるということは何度もありました。きっと対戦した敵も自分に対して思ってるんじゃないでしょうか。
今後、ラピッドトリガーのキーボードが普及すればするほど、撃ち合いがハイレベルになっていくと思います。今は先行者優位が働いていて、ラピッドトリガーの使用者が相対的に強くなっているという状況も多いはずです。
しかし、ラピッドトリガーのキーボードが普及していくほど、みんながストッピングマスターになって平等に強いです。ラピッドトリガー搭載のキーボードを使用するのは『ベスト』な選択ではなく『マストな』選択になっていくことにも繋がります。
ゲームに特化した性能のスイッチはたくさんありますが、アクチュエーションポイントは最短でも約1.0mmのメカニカルスイッチが一般的です。一般的なキーボードにはストッピングでハンデがあります。
アクチュエーションポイントを0.4mmにできるなら、逆キー入力ストッピングが同じくらい強いかもしれませんが、DrunkDeerの磁気スイッチ・ラピッドトリガーの、『どれだけ深く押し込んだところからでも0.4mm浮かせただけでストッピングができて、また押し込めばすぐ入力もできる機能』は、どう考えても操作が簡単なうえに強いです。
ストッピングが必要なゲーム、特にVALORANTをやる予定があるなら、低予算で十分な性能が得られるDrunkDeerのキーボードが超おすすめです。
ココが良い
- 圧倒的なストッピング性能
- シンプルデザイン
- 文字入力に強い75%レイアウト
- 特許取得済の足な65%レイアウト
- カチャカチャ言わないスタビライザー
- とても静かなスペースバー
ココはイマイチ
- ABSキーキャップは滑りやすい
- 打鍵音量は大きめ