BenQから販売されているZOWIE EC1-CWについてレビューを行っていきます。
ゲーマーにはド定番のマウスを多くラインナップしているZOWIEから、待望のワイヤレスマウスが発売となりました。
今回はベンキュージャパン様からEC1-CWのレビューサンプルを提供していただけたので、実際に触れながら使い心地を詳しくチェックしていきます。
ZOWIE EC1-CW イチオシポイント
- 実重量よりも軽く感じる神がかった重心バランス
- グリップテープが不要で持ち上げやすい表面
- ケーブルの出番を奪ったレシーバー
結論から述べてしまうと、EC1-CWは多くの方が懸念しているであろう『重さ』を感じにくくなっています。多くの工夫が施されているため、実際に触ってみると実重量よりもはるかに軽く感じます。
管理人も、さぞ重いんだろうと心配していましたが良い意味で裏切られました。特定の持ち方をするのであれば必ず候補に挙げたい左右非対称マウスです。
『かぶせ持ちししやすい形状を使いたい!』『かぶせ持ちでも持ち上げやすいマウスがいい!』というゲーマーには、なんとかして絶対に触っておいてほしいと思わせる完成度の高さがあります。
ドでかいレシーバーについても価格に納得できる内容だと思ったので、重さを感じにくい工夫だけでなく、その辺も含めて詳しく紹介していきます!
ZOWIE EC1-CWとは
EC1-CWおよび、EC-CWシリーズは、右手に特化したエルゴノミクスデザインが特徴的なECシリーズのワイヤレスマウス(ZOWIE初)です。
単純なワイヤレス化とはいかず、細かいところでアップデートが入っているため、最新EC形状のシリーズとなっています。有線マウスと同様にプラグ&プレイ(ドライバーインストール不要)は継続です。
マウス単体で400、800、1600、3200 DPIの調整と125、500、1000 Hzに調整可能なUSBのレポートレートがセッティングできるようになっています。
その他にも充電スタンドを兼ねたパラコードケーブル搭載のエンハンストワイヤレスレシーバーや、24段階のスクロールホイール、3370センサー搭載のハイエンドなゲーミングマウスです。
BenQ ZOWIE EC1-CW | |
形状 | 左右非対称 エルゴノミクス |
サイズ | 130mm×69mm×42mm |
重量 | 79g |
センサー | Pixart PAW3370 |
接続 | 無線 延長ドングルレシーバー エンハンストワイヤレスレシーバー |
ケーブル | パラコードケーブル |
DPI | 400、800、1600、3200 |
ポーリングレート | 125/500/1000 Hz |
EC1-CWを選んだ理由
一番の理由は、チェアを新調したせいで、マウスの持ち方がつかみ持ちからかぶせ持ち系に変わってしまったのが主な原因です。その持ち方はかぶせつかみ持ちと名前を勝手につけました。
▼かぶせつかみ持ちのやり方とマウス選びの考え方とおすすめマウス
つかみ持ち
- 小指を曲げる
- メインボタンの力を手のひらに受け止めさせる
- 脇開いて肘曲げたほうが動かしやすい
かぶせ持ち系
- 小指を伸ばす
- 小指の付け根にマウスのお尻を親指で押し付ける
- 脇閉じて肘のばしたほうが動かしやすい
新調したチェアは座面が少し高くなってしまったので、相対的にデスクの高さが低くなってしまいました。脇を開きにくくなったので、前腕も伸ばし気味のほうが維持しやすくパフォーマンスも好調になります。
詳しくは以下の記事で紹介しました。
▼FPSで感度の合わせ方・動かし方を明確にしてエイムを安定させよう!感度沼とマウス沼・持ち方沼からも抜け出す方法を解説!
持ち方を戻すにはデスクを昇降機能つきのものに新調したらいいだけなんですけど、なんとなく新しいマウスも試してみたいじゃないですか。それに悲しいことに、つかみ持ち時代よりもちょっとエイムが良いかなくらいの調子になってしまいました。
こりゃ新しい持ち方でもいいんじゃないかと思いますよね。
そこで、かぶせ持ち系のマウスを探すわけなんですけど、20.7cm x 9cmの管理人の手にはどのマウスも小さいんです。候補があんまりありません。
ベッタリかぶせ持ちをしたいので、しっかりフィットさせられるデカいエルゴがいいんです。この持ち方しかできません!って感じで、つかみ持ちと違ってそんなに力を加えるわけでもないので手汗をかいてもグリップがいいマウスがいいです。
そしてやっぱワイヤレスがいいですよね。有線は結局のところバンジーで吊っても抵抗感はあります。
となると、消去法的に表面の処理が優秀なことで定評のあるZOWIEから、EC1-CWが最有力候補になりました。
届いたEC1-CWをチェック
そういうわけでレビューをさせていただくことになったEC1-CWが我が家に到着しました。
高級感のあるパッケージ
いつものZOWIEの箱ですね。と言いたいところなんですが、なんかちょっと豪華です。
デラックスエディション的な雰囲気を放っています。いつもみたいな業務用感がありません。
情報量は少ないので、分かる人にはなんのマウスか分かるでしょ的なのは変わりません。
厚みがしっかりしていて大きさもそれなりなサイズ感です。遊園地とかのお土産で買ってくるクッキーくらいの大きさがあります。
裏面はMAX情報量です。それでも『どんなマウスでこんなパフォーマンスが期待できますよ!』みたいな感じは一切ありません。
プロ向けのオーディオ製品と似たような感じのアプローチです。
サイドはシンプルです。マジで飾っておきたいくらいのサイズ感です。
ちょうどいいサイズの箱ってなんとなく捨てませんよね。絶対に使わないだろうなと思っても、なんかサイズ感がいいからとっておきたいという謎の心理が働きます。
同梱物
EC-CWにはいつもの透明のプラスチック梱包は廃止されていました。よくあるディスプレイ方式な梱包になっています。
あちこちでSDGsについてとても厳しくなってきました。持続可能な開発ということもよく追求されるのが昨今ですね。
いろいろ入っていました。デラックスエディションというのはあながち間違っていませんでした。
付属品は以下の内容です。
付属品
- マウス本体
- エンハンストワイヤレスレシーバー
- 通常のレシーバー
- ケーブル
- 替えのソール 一式
- ユーザーガイド
まさかのレシーバーは2種類付属してきます。
オベリスク級にドでかいエンハンストワイヤレスレシーバーと、一般的なケーブルで延長してくるタイプのレシーバーのどちらも付属していて、好きな方を選べるようになっています。
外観を詳しくチェック
ここからはEC1-CWの外観とデザインや装備について詳しく見ていきます。
めっちゃマットなボディ
EC-1CWはZOWIEマウスの中でもかなりマットな質感になっています。ツヤ感はほぼありません。
高級感が素晴らしくてマット塗装の外国車を連想しました。ほんとに高級車っぽいです。
サイドから見てみると親指側と小指側でメインボタンの高さが異なることが確認できます。マウス後部の高さは残されていない形状になっています。
EC形状はかぶせ持ち系向きではあるんですが、手のひらとの干渉をなるべくさせず、クリックのしやすさを強調した形状らしいですね。
前後から見てみても左右非対称っぷりがよく分かります。左メインボタンが高く、右メインボタンは低くなっています。
全体的にはマットブラックなんですが、ポイントでアンテナやロゴに赤色が入って差し色になっているのでZOWIEらしさがあってかっこいいです。
文句のつけようがない表面の質感
ZOWIEマウスの特徴として、神がかった表面の処理が挙げられます。
今回のEC1-CWは特に滑りにくく、見た目にもベタつきが少し残りにくい処理になっています。
ZA13-CとEC3-Cと並べてみましたが、色合いも少し異なります。一番くろぐろとしているのはZA13-Cです。半ツヤに近い状態で、手の脂を目立たせやすいです。
ZA13-CとEC3-Cは手汗をかくとグリップが頼りなくなってしまい、少し抜け落ちそうな感覚がして力みがちになりました。EC-1CWのマットな質感は期待できます。
特に誰かに見せるわけでもないので、別に見た目についてはいいんですが、マットであればあるほど手汗に強くなっていきます。EC-Cシリーズからそんなに時間が経っているわけではありませんが、EC1-CWの時点で改良が入っています。
若干エグレたメインボタン
EC形状はメインボタンがフラットでもなければ、ゆるい凸アールでもありません。
カメラだとうまく映らないくらいのエグレ具合ではあるんですが、どちらのメインボタンも指の置き場所が決まるように若干凹んでいます。
溝的な形状になっているので、自然に指を沿わせられるようになっています。なるべく同じ持ち方ができるようになっています。
クリック感はやっぱりカッチリ系
EC1-CWのクリック感はハッキリとフィードバックのある感触で、コチコチっと少し低めな硬い音が出ます。ZOWIEマウスそのものです。
手元にあったEC3-C、ZA13-Cと比べてみても、シェルの響きによる音こそ異なりますが、指で感じる感触はほぼ同じになるように調整されていました。
少ない力で押すことができますが、けっして軽くはないので、メインボタンを押す意思が無ければ押されることありません。メインボタンを押そうと力を加えた瞬間にコチっと押される優秀なスイッチです。
返りも早いので、もたつくこともなく連打がしやすいです。
ホイールもやっぱりカリカリ系
ZOWIEは光学式のホイールを採用しています。その影響でカリカリした感触のホイールになるんですが、メカニカルなホイールと比べると音が大きいんです。
しかし、EC1-CWはというと、カリカリ感触はそのままに音がかなり小さいです。大きく弾くように回すと『ジャッ』という大きな音が出ますが、少ないステップで回すだけなら音はほとんど出ません。
ホイールの操作感はEC3-CやZA13-Cとそれぞれ異なります。EC1-CWが最も一般的なホイールに近いように感じました。24ステップのスクロールホイールなので、一般的なホイールと使用感もほとんど変わりません。
動作の遊びもほとんど無いため、回そうとした瞬間に動いてくれます。1ノッチだけ動かすという使い方もやりやすい絶妙な重さになっています。
持ち方にもよりますが、ホイールの押し込みは固めで、押し込むのに少しだけ力が必要です。ホイールを連続で回しても押されることが無いくらいには固いので、なるべく垂直に押し込まないといけません。
そしてZOWIEマウスの特徴でもあるんですが、ホイール操作方向の周辺が適度にえぐれています。ホイールを操作する指を大きく曲げ伸ばししても、シェルに干渉しにくくなっています。
クローンだとこのアプローチがされていないので、持ち方にもよりますが、大きくホイールを回す操作がやりにくかったりするんです。
ホイール操作を連続で行うようなプレイヤーとも相性問題が起きにくいです。スペックだけではなく操作性についても突き詰められているのがZOWIEマウスの特徴です。
大きめサイドボタン
サイドボタンはマウス側面に沿うような形状で、出っ張りは少なめです。ボタン自体が大きめにデザインされているため押しやすくなっています。
メインボタンよりも少し重ためなクリック感で、コチコチっと明確なフィードバックがあります。サイドボタンにはすこしだけ沈み込みの遊びがありますが、押し込みが重ためになっているためそう感じるだけかもしれません。
力を加えたら沈み込んで反応してくれます。操作ミスには繋がりにくいクリック感です。
位置としては少し高めですが、親指を上にずらすだけで押せるような位置関係になっているため、押したい時に押せないということはありません。
管理人はエイムに影響するキー配置はしないので、なんともありませんが、すこし重めのクリック感ということもあって、親指に力を加える必要があります。サイドボタンをたくさん使う方はエイムに影響してきそうです。
ソールはちょっと独特
EC1-CWのソールは黒いソールです。
引っ掛かり感や極端に遅さを感じるということはありません。滑り出しもそれなりに軽く、バランスの良いソールです。
センサーを囲うようにソールが配置されていて、マウス操作中にマウスパッドが歪んでしまうことによるセンサーの読み取り不良も起こりにくくされています。
特徴的な部分ですが、前部ソールは2つに分かれていて、後部ソールは大きな面タイプのソールです。
前部が2つに分かれた理由ですが、オベリスク級のアンテナレシーバーで充電できるようにしたからです。
ソールの形状は操作性に影響する部分なので、ちょっとどうなんだろうと思いますよね。この後の項目で説明します。
面取りもそこまで過度にされていないので、接地面積もなるべく広く残されています。市販品としては十分実用的なクオリティのソールになっています。
プラグ&プレイなボタンソフト不要
EC1-CWは専用ソフトを使わずに様々な調整ができるようになっています。ドライバーもありあません。
マウスの裏面のボタンとマウスの各ボタンの同時押しで調整ができます。
調整できるマウス設定
- DPIの変更
- 400、800、1600、3200 DPIの調整が可能
- ポーリングレートの変更 (USBレポートレート)
- 125、500、1000 Hz の調整が可能
- LODの変更
- 低 LOD
- 中 LOD
- 高 LOD
- デバウンスタイムの変更 (クリック応答時間)
- 応答速度 (高速)
- 応答速度 (標準)
初期状態からDPIを自分の好みのものに変えるだけでも、問題なく扱えるようになっています。好みに応じてLODやデバウンスタイムを調整すればもう完璧です。
使用感
ここからはEC1-CWの全体的な使用感を管理人目線で解説していきます。
管理人の手の大きさは20.7cm x 9cmとかなり大きめです。EC1-CWで実現したかったことや、結果的にどんな持ち方と相性がいいのかも詳しく紹介します。
結論から言ってしまうと、かぶせつかみ持ちがベストマッチです。
そこまで重さを感じない
最大の特徴なので先に伝えたいんですが、驚くべきことに、形状が優れていること、表面の処理が優れていること、マウスの固定しやすさが優れていることによって手のひらと一体化しやすく重さを感じにくくなっています。
計測してみても81gだったんですが、明らかに80gは無いと思えてしまいます。手元にあった80gのマウスより軽く感じます。
ZOWIEが推奨している持ち方をすると、明らかに70g前半の操作性に感じてしまいます。
気になってしまったのでZOWIE 担当者様に聞いてみました。
komugipowder
Q.EC-CWシリーズの重心について、他サイトで知りましたが、バッテリーの搭載位置がマウス底面ではなくシェル側の配置になっています。重心位置が高くなっていると思います。
同じ80gでも、底面にバッテリーを取り付けたマウスを持ったときよりも確実に軽く感じます。何かしらメーカーとしてのこだわりはあるのでしょうか?
担当者様
A.EC-CWの重心とバッテリーの位置は、マウスを持ち上げたり動かしたりするときの安定性を確保するために、プレーヤーによって繰り返し調整およびテストされています。
バッテリーの最適な位置を見つけることではなく、テストを通じてバランスポイントを特定することです。このアプローチにより、ワイヤレスマウスが有線マウスと一貫性を感じ、既存ユーザーに適応しやすくなっています。
いやいや、サラッととんでもねえことやっとるやん!
それなら時間かかったのも納得だわ!もっとアピールしようよ!
ZOWIEというブランドを舐めていました。EC-CWを発表するも、重すぎると取沙汰されて軽く炎上していましたね。
ほんとに実際に持ってみると言っている意味が分かります。
バッテリー分の重さはなんとかバランスポイントを特定することで感じにくくさせられるようです。
確かにカタログスペックの重量も大事ですが、バランスポイントが『重たく感じるかどうか』に直結しているということを思い知らされました。ちょっと怖くなりました…。
この記事を読んでいる方でも簡単にテストができます。マウスを表向きと裏向きで持ち比べてみてください。
実際にやってみてね
- バッテリー位置がマウス底面側だと裏面を向けた時のほうが軽く感じます。
- バッテリー位置がマウスシェル側だと表面を向けた時のほうが軽く感じます。
EC1-CWはというと、どちらを向けて持っても同じ重さに感じるんです。このバランスポイントの調整がマウスの動かしやすさへ直接的に影響しているわけです。
実際に70gのマウスとゲームプレイの操作を比べてみると、ほぼ同じどころかケーブルの抵抗感が無いのでEC1-CWの方が操作性は良いです。
重さも試合中に気になることは全くありませんでした。それよりも、持ち方とマウスの形状が合っているかどうかの方が重要だということも知ることができました。
これから説明する持ち方なら重さは気にしなくて大丈夫です。80gのマウスですが、70gの有線マウスの操作性とほぼ同じです。
ドでかいはずだけどフィットしすぎない
EC1-CWはECシリーズで最も大きなサイズなんですが、意外なことに、ベタッとかぶせ持ちができるかと言われると、そこまでできないようになっている形状です。
管理人の手が大きすぎるという問題はあるんですが、そもそも手のひらに当たりすぎないことを特徴としているマウスなんです。
EC1-CWは手のひらが当たりすぎないことによるクリックのしやすさを最優先に考えられているようで、オフィス向けマウスのような全体がべったりくっつけられるというような設計思想ではありません。
管理人の手は指が長く、手のひらはそこまで大きくないんですが、手のひらに当たる感じは最大サイズのEC1-CWでも少ないです。あんまり巨大なマウスに感じません。
特に指全体がマウスに触れるということは無く、べったりかぶせ持ちはできないので、つかみ持ちの小指を伸ばした版しかできませんでした。
かぶせつかみ持ちが安定した
かぶせ持ちがしたくてEC1-CWを選んだわけなんですが、実際に触ってみるとできないという事実が待ち受けていました。
しかし、自分は手が大きすぎるので、しかたありません。もしできたらいいなくらいに考えていたので、最近の持ち方であったかぶせつかみ持ちをしてみることにしました。 (管理人が勝手に名前を着けた)
そうするともうピッタリです。シンデレラフィットと言ってしまっていいでしょう。
形状的に薬指の側面がマウス側面に引っかかるようにできているため持ち上げやすさもあります。
この持ち方でもECの設計思想にあるクリックのしやすさを実感できます。
ZOWIE公式サイトを見てみてもこれにかなり近い持ち方ですね。ZOWIE公式の場合は親指の付け根もマウスに触れています。
公式サイト
▶ZOWIE EC1-CW ワイヤレスゲーミングマウス for e-Sports
管理人の場合は、親指側の手のひらは触れずに小指の付け根だけがマウスに触れる持ち方です。親指で小指の付け根にマウスを押し付ける力を少しだけ加えています。
そのなかでもEC1-CWは全体的に大きいサイズにより、小指のフィットが素晴らしいです。
マウスに触れている部分をマークしました。意外とこの持ち方の人は多いと思うので、ECの形状がハマる人は多いと思っています。もう既にド定番マウスではあるんですけどね。
小指の側面には大きいボールを握っているかのようないい感じにフィットした感覚があって、ホールド感が強く、マウスを大きく振り回すような動作をしても手の中でズレません。
小指の付け根以外にも、薬指の側面を多く触れさせられます。手汗をたくさんかいても滑らないマウス表面の処理のおかげもあって、常に指が吸い付いているような感覚があります。
こんな感じで親指と薬指だけを使って、小指の付け根に当てながら、マウスを左右にプルプル振ってもズレません。
良くも悪くも少ない力でマウスの位置が手の中で完全に固定されているため、ゲームプレイ中にマウスを持ち直すことが一切なくなりました。激しい動きでもすっぽ抜けそうな感覚はありませんし、必要以上に力んで制御することもありません。
マウスを気にすることなくゲームプレイに集中できるようになって驚きました。
巨大レシーバーが想像以上に便利
ちょっと話題になった巨大レシーバーことエンハンストワイヤレスレシーバーについてですが、実際に使ってみるとめちゃくちゃ便利です。ぶっちゃけコレが無いなら自分は買いません。
もちろん一般的な延長タイプのレシーバーも付属するんですが、充電する時に着け外しするのがめんどくさくないですか?自分の場合は無線マウスを有線の状態で使う時間がほんとにどうしようもなく嫌なんです。
たった短時間だったとしても、端子がゴツいせいで操作性が絶対に悪いんですよ。そもそもそれが気にならないなら有線マウスでいいわけですしね。
いざゲームをしようとしたときに赤く点滅されると、ほんとにどうしてやろうかと思ってしまうくらい大抵のワイヤレスマウスは有線の使用感が良くないんですよ。もうどうしようもありません。
そんなこともあって、管理人は有線で充電しながら使うのが耐えられなくなり、最終的に形状よりもバッテリー持続時間でマウスを選ぶようになりました。
EC1-CWはこのオベリスクアンテナレシーバーことエンハンストワイヤレスレシーバーで、置くだけ充電ができるようになっています。これがほんとに便利です。
ぶっちゃけオフィス用途にも良さそうですよ。他のマウスもオプションで選べるようになってほしいです。
レシーバーをマウスパッドの外側に出せばほぼツライチになるので傾きも無くなるようです。
ちょっと離席する時に充電しておけば半永久的にワイヤレスマウスとして使えます。最新マウスにありがちな『1週間に1度は有線状態で充電しないといけない』ということが起こりません。
既出の機能ではあるんですが、思った以上に素晴らしいです。
そう言えるのも、有線マウスと一貫性を感じられるバランスポイントの特定がされているからですね。装備が増えても余計な重量増だと思えません。いろいろとほんとによく考えられています。
そして、ケーブルのUSB端子は金メッキ仕様です。マウスで金メッキになっているのははじめて見ました。なんかそこかしこでコストがかかっています。
ちなみにマウスと接続するとこんな感じになっています。オベリスクアンテナレシーバーことエンハンストワイヤレスレシーバーでの使用を前提にしているっぽいですね。
とにかく巨大レシーバーが想像以上に便利です。USBケーブルを抜き差しする手間は発生しません。極限までワイヤレスマウスを無線の状態で長く使えます。
ソールはちょっと気になった
オベリスクアンテナレシーバーを実装した影響がひとつだけあります。
ソールの形状についてですが、前後で形が極端に異なるということもあって、少しだけ縦横の滑りに差があるように感じました。EC3-Cと比べるとけっこうな差があります。
横方向に滑らせる面積は従来と変わらないんですが、縦方向に滑らせる面積が減っているので、縦方向がよく滑ります。斜め移動はいいんですが、直角に縦方向に動かすとかなり滑ります。
ただ、基本的に一般的なマウスパッドは、横のほうが滑って縦のほうが抵抗は少し強く感じるはずです。そのため、EC1-CWのソールはせいぜい縦横で滑りの差が無くなるくらいにおさまります。
Artisan ライデンなどの、縦横で滑りの差が完全に無い布マウスパッドを使っていると、縦のほうが滑ると感じました。マウスパッドを縦置きにしていたりする場合も同様に注意が必要です。
管理人の場合は、マウスパッドを縦置きしていたので一般的なマウスパッドは使えなくなりました。しかし、Artisan ハヤテ 甲という、もともと縦のほうが滑るマウスパッドを縦置きにして使うことで、滑りの差を無くすことに成功しました。
縦置きにしている人のほうが少ないと思うので大丈夫そうですね。
センサーは問題無し
EC1-CWにはPixart PAW3370が採用されているようですが、不自然な挙動は起こらず、実用には全く問題ありませんでした。
トラッキング操作がメインのApex Legendsをプレイしましたが、違和感なく使えていますし、VALORANTもちょこちょこやっていますが、早く振ってもセンサー飛びなどは起こりませんでした。
試用しはじめは高密度な布マウスパッド Artisan ライデンを使っていましたが、LODも低設定にして、マウスを持ち上げたり、激しく振ったときにでも不自然な挙動は起きませんでした。
管理人の個人的な意見としては、最新のPixart PAW3395の挙動だと、800dpiでのマイクロコントロールが400dpiみたいなカクカク感があって、どうしても1600dpiにしないと扱えなかったので、Pixart PAW3370なら800dpiのプレイヤーにも馴染みやすくて良いと思います。
dpiを高くしすぎると、感度が細かく調整できないゲームでハイセンシにしかできなくなるので、800dpiでもマイクロコントロールが自然にできるセンサーのほうがいいと思います。
まとめ
スペックを見るからに堅実な性能だとは思っていましたが、想像以上にド安定なマウスです。
特に、有線マウスと一貫性を感じられるようにプレーヤーによって繰り返し調整されたというバランスポイントについては、ほんとにお見事の一言です。
管理人の感覚的には70gの有線マウスを振り回して操作するのと同じように感じられます。大きいマウスだからこそ、振られる感覚が少ないだけでも操作性が飛躍的に向上することを体験できました。
70gの操作性に不満を持っていない方であればすんなり馴染めるようになっています。
もともと高めになっていた感度もいろいろ試したくて落としましたが、重たいから感度を落としたくないということは思わなかったです。
おすすめできるのはこんな方
- かぶせ持ち系の持ち方をしたい
- 激しく振ってもズレないマウスがいい
- グリップテープを使いたくない
EC1-CWの形状についてですが、特に小指の付け根のフィット感がとても強く得られます。
薬指と親指の間にマウスを挟み込むような持ち方をするのであれば、ブンブン振り回しても安定した操作をし続けられます。軽く感じられるかどうかもこの持ち方をするかどうかは重要です。
ECの形状は手のひらに当たりすぎない設計で、素早いクリックがしやすくなっています。実際にめちゃくちゃクリックの連打はしやすいです。左も右も安定して連打しまくれるのに、誤クリックは発生しない秀逸な操作性です。
そしてなにより大型のエンハンストワイヤレスレシーバーがとっても便利です。ちょっと離席する時に置くようにすれば有線状態で使うタイミングはやってきません。赤く点滅するマウスをずっと見なくていいです。
管理人は48gのFinalmouse Starlight-12 Mから乗り換えましたが、操作性が重量にそこまで比例して変わらなかったこと、EC1-CWの利便性がドはまりしたことから完全にメインマウスとして使い続けています。
付属品も充実しすぎているので価格は少し高めになっていますが、それ以上に価格に見合う細部の調整が行われていることが実感できるマウスです。
持ち方とサイズさえ合っていれば、ゲームプレイ中にマウスを持ち直すことがなくなります。ECシリーズがド定番な理由がよくわかりました。
EC-CWシリーズは、一般的な手のサイズの方も3サイズから選べるようになっています。手のひらのどこを当てたいかに合わせて選んでみてください。
ココが良い
- 重量を感じにくいバランスポイント
- 持ち上げやすく固定のしやすい形状
- 手汗で滑らないコーティング
- メリハリのある確実なクリック感
- 音が静かになったカリカリホイール
- ほぼ無線で使い続けられる
ココはイマイチ
- 一般的な手のサイズ向け
- 手が大きいとべったりかぶせ持ちはできない
- 延長ドングルレシーバーは使わなかった