どこよりも詳しい「Blue Yeti シリーズ」 違いとその比較と失敗しない選び方

マイク

現在、人気のあるストリーマー向けマイクとしてBlueのYetiシリーズがあります。

丸みのある愛らしいデザインで存在感のあるマイクは、その音質にも定評があり、USBマイクの定番になろうとしています。

ゲーム実況だけでなく、web会議やテレワークでも幅広く品質の高い音声の提供ができ、非常に高いポテンシャルを持ち合わせています。

Yetiシリーズには、「Yeti」、「Yeti Nano」、「Yeti X」の三種類があります。それぞれの特性をよく理解し、用途に合わせて選ぶことにより、その真価を発揮することができます。

そこで今回は、Yetiシリーズの比較を行い、その特性を深堀りしていきます。これから購入されるかたは製品とのミスマッチングを防げると思います。

はじめに、ざっくりと説明してしまうと

結論

「Yeti」は多人数での音声を録音する場合に最適

「Yeti Nano」はコンパクトなサイズで高音質を求める場合に最適

「Yeti X」は一番高価だけど、「Yeti」と「Yeti Nano」の特性を併せ持った高音質と多機能を求める場合に最適

と明確に括り分けできます。

それでは詳細な比較を行っていきます。

スポンサーリンク

このブログは、Google AdsenseやAmazon アソシエイトプログラム等の広告を利用して得られた収益で活動をしています。

Blue Yeti シリーズ

比較

ハードウェア

まずは、ハードウェア面で比較を行っていきます。

物理的な仕様はソフトウェアでのコントロールが不可能なので、ドライバーのアップデート等で改善されることはありません。高音質を求めていたり、複数の指向性切り替えを求めていたりする場合は必ず確認が必要です。

表にしてみました。

YetiYeti NanoYeti X
サンプリングレート/
ビットレート
48 kHz
16-bit
48 kHz
24-bit
48 kHz
24-bit
カプセル14ミリ
コンデンサーカプセル
3基
14ミリ
コンデンサーカプセル
2基
14ミリ
コンデンサーカプセル
4基
指向特性単一指向性、無指向性、双指向性、ステレオ単一指向性、無指向性単一指向性、無指向性、双指向性、ステレオ
周波数特性20Hz – 20kHz 20Hz−20kHz20Hz – 20kHz
最大SPL120dB120dB122dB
寸法12cm x 12.5cm x 29.5cm10.9cm x 9.6cm x 21.1cm 11cm x 12.2cm x 28.9cm
重量(マイクとスタンド)1550g630g1280g
重量(マイクのみ)550g252g519g

表にしたものを詳しく解説していきます。

サンプリングレート/ビットレート

サンプリングレート/ビットレートとは
音をアナログ信号からデジタル信号に1秒間で何回処理できるかがサンプリングレートです。

これによって音の滑らかさが変わります。映像で言うところのフレームレート(fps)に値するものです、数値が大きければ大きい程、滑らかになります。

ビットレートはその1秒間で処理された音の情報量、データ容量です。

今回はビット深度について説明します。ビット深度は大まかに言うと、音の細かさを表すものです。

数値が大きければ大きい程、小さい音や大きい音の表現力が増したり、録音した音声の再現性、解像度や滑らかさも変わってきます。

Yetiシリーズではサンプリングレートは48 kHzで共通ですが、ビット深度は「Yeti」のみ16bitです。「Yeti Nano」、「Yeti X」は24bitですが、その差はあるのかというと確実にあります。

16bit/48 kHzの音源と24bit/48 kHzの音源を聴き比べてみると、16bit/48 kHzの音源のほうが軽い印象で音にザラつきを感じてしまいます。24bit/48 kHzの方が、音の深みや滑らかさを確実に感じることができます。

以上の理由から、妥協の無い音質で音声を録音したいかたには「Yeti」はお勧めできません。

音質を求める場合は「Yeti Nano」、「Yeti X」を選択した方がいい結果が得られます。

カプセルと指向特性

Yetiシリーズはどれもコンデンサーマイクです。

14ミリのオリジナルコンデンサーカプセルを搭載していますが、カプセルの数が多いほど指向特性の選択肢が増えます。

Yeti Nanoはカプセルが2基しか無いので、特定の方向しか集音しない単一指向性と、マイクの全周から集音する無指向性のみです。

「Yeti」はカプセル3基「Yeti X」は4基を搭載しているので、単一指向性、無指向性だけでなく、マイク前面と背面のみで集音する双指向性、左右で独立した集音ができるステレオがあります。

マイク一つで誰かと対面し対談するような場合は、双指向性にできる「Yeti」、「Yeti X」に特性があります。

また、ASMRのような左右で独立したステレオ音声を録音したい場合も「Yeti」、「Yeti X」に特性があります。

特にASMRでは表現力が大事になってきますが、bit深度でも説明したように、「Yeti X」が音質面において優れており、ハイクオリティな音声の録音で真価を発揮します。

一人でしか使わない場合は、特別な理由が無ければ単一指向性のみで運用していくことになると思います。

上記のような利用用途が無い場合はオーバークオリティになってしまいます。

周波数特性

周波数特性は集音すろことのできる音の周波数のことです。

Yeti シリーズでは周波数特性が20Hz – 20kHzとなっていて、これは一般的なコンデンサーマイクの周波数特性です。

人間の可聴周波数も同じですね。なので、人間が聴ける音なら集音できるということになります。

広ければ広いほどいいというものでもなく、録音したい対象の周波数に合っていれば問題有りません。

違った言い方をすると、声以外の雑音を拾いたくない場合は、もっと周波数特性の狭いマイクを使ったほうがいいです。ただ、再現性や深みなどはトレードオフになります。

Yeti シリーズのような感度のいいコンデンサーマイクを使用する場合は、口元10cmから15cmの距離で、できるだけゲインを小さくして録音することをおすすめします。

音質面はサンプリングレート/ビットレートで説明したとおりです。

最大SPL

最大SPLはマイクで集音可能な音の大きさです。

Yeti シリーズでは120dB付近となっていて、通常音声の録音で使用する分には問題有りません。

音質面はサンプリングレート/ビットレートで説明したとおりです。

寸法と重量

寸法とサイズは「Yeti Nano」が一番小さく、「Yeti」、「Yeti X」が同じ位の大きさです。

「Yeti」、「Yeti X」はコンデンサーマイクの中でも中型なサイズでコンパクトとは言えません。

顔の前に来ると視界を遮るくらいのサイズ感ではあるので、配置に工夫が必要だと思います。

重量もマイクのみで500gと、そこそこあるので、アームを使用する場合はこの重さに耐えられるようなアームを選びましょう。

「Yeti Nano」は「Yeti」をそのまま小型化したようなサイズで配置に困ることはありません。

プラスチック製のマイク単体重量は252gと非常に軽いです。

できるだけ場所を取るようなマイクを避けたい場合は「Yeti Nano」がベストマッチだと思います。

高級感や重量感を重視する場合は「Yeti」、「Yeti X」を選んだほうが満足感を得られると思います。

ソフトウェア

ソフトウェアの対応状況

2021年8月25日時点、ファームウェアアップデートにより、YetiでもG HUBでのBlue VO!CEに対応しています。しかし 、 サンプリングレート/ビットレートはYeti Nanoの方が優れていることは変わりません。

また、現在Sherpaでのコントロールはできなくなっています。

YetiYeti NanoYeti X
Blue SHERPA対応対応対応(G HUB)
Blue VO!CEエフェクト未対応対応
(アップデートにより対応)
対応(G HUB)
カスタムLEDライティング非対応非対応対応(G HUB)

ソフトウェアの対応状況を見てみると、かなり大きな差があります。

現状定番として認知されているのは「Yeti」ですが、ソフトウェアの対応状況では他2機種よりも劣っています。

「Yeti」はBlue SHERPAでゲインのコントロールだけしかできません。

「Yeti Nano」、「Yeti X」はゲインのコントロールだけでなく、Blue VO!CEエフェクトでEQやノイズリダクション、コンプレッサー、リミッター等の様々なエフェクトが利用できます。

配信やVCを行うかたは、適切なエフェクトを使用することにより、視聴者や会話相手へ更に快適な音声の提供ができます。

また、Yeti Xはマイク前面のノブに採用されたRGBライティングインジケーターランプの色を自由に変えることもできます。

価格的には
Yeti X>Yeti>Yeti Nano
ですが、ソフトウェアの対応性能で並べ替えると

Yeti X>Yeti Nano>Yeti
となります。

まとめと選び方

総括

Yetiシリーズを詳しく見てきました。

全体を通して分かったことは、明確な違いが有り、使い分けができるマイクシリーズであるということです。

特に「Yeti Nano」はコストパフォーマンスに優れたマイクだと位置づけできます。

「Yeti Nano」は筆者も使っていたマイクですが、再度注目するべきマイクだと感じました。

対抗できる製品は非常に少なく、価格とデザインに不満がなければ優れた高音質マイクの選択肢として強くお勧めできます。

また、音質やソフトウェアの対応具合がいま一歩劣る「Yeti」ですが、ショックマウントとマイクアームがセットになった「Yeticaster ストリーミングセット」は非常にお買い得です。

ショックマウントとマイクアーム単体で揃えるよりも¥10,000近く安く揃えることができるので、こちらも「Yeti」の特性を許容できれば優れた選択肢になります。

選び方

簡単に表にしてみたので、選び方の参考にしてみてください。

YetiYeti NanoYeti X
音質
指向性424
ソフトウェア制御
サイズ中型小型中型
価格(全て執筆時)¥17,100¥14,100¥22,600

音質で選ぶなら、「Yeti Nano」か「Yeti X」

指向性で選ぶなら、「Yeti」か「Yeti X」

音声にエフェクトをかけたり、ソフトウェアで幅広くコントロールしたいなら「Yeti Nano」か「Yeti X」

2021年8月25日時点、ファームウェアアップデートにより、YetiでもG HUBでのBlue VO!CEに対応しています。

小型が欲しいなら「Yeti Nano」

コメント

タイトルとURLをコピーしました