『家族の声や生活音が入ってしまう』『discordで話し声が途切れてしまう』『高価なマイクを買ったのに音質が良くない気がする』
この記事で知られること
- 大前提としてマイクで気をつけたいこと
- 生活音やノイズの少ない感度設定
- おすすめの音声設定方法
ゲームでVCをするのに必須とも言えるdiscordですが、マイク設定をうまくコントロールできないと快適な音声になっていません。せっかく対策を行ったのに、かえって悪くすることを行っている方が多いようです。
この記事では、普段からマイクのレビューも行っている現役PCゲーマーな管理人が、細かく機能の説明を行い、本当におすすめな音声設定方法について解説していきます。
守りたいマイクの前提条件

マイクに近づく
大前提としてマイクの取り扱いで気をつけたいことですが、環境音や生活音対策のためにはマイクに近づくようにしてください。
マイクの推奨距離は、口元3cmから遠くても口元15cmです。それ以上は遠すぎて部屋に反響する音を拾ってしまうので、お風呂場で話しているみたいな音声になります。マイクは適切な距離で使えないと音質が悪化します。
視界の邪魔になるのを避けたい場合は、ヘッドセットかピンマイクにしておくのが無難です。
マイクに近づくことで解決できること
- 環境音対策ができる
- 音量が稼げる
- 小さい声も途切れなくなる
マイクを近づけることで、マイクボリューム (ゲイン) を必要以上に大きしなくても声の音量が取れるようになります。マイクボリューム (ゲイン) を小さくできた分だけ、近くの音以外は拾わない設定になるので、生活音や環境音の対策も同時にできます。
口元に近づけるためにはマイクアームを使うのが定番です。
声を途切れなくさせる
声が途切れるという問題ですが、必要以上にノイズキャンセリングやノイズ除去ソフトを効かせている時に起こりやすい現象です。
マイクが口から遠い場合だと、集音された声とノイズが同じ音量になってしまうため、声にもノイズ判定を喰らいます。そうなると声も途切れるようになるわけです。
マイクを近づけてマイクボリューム (ゲイン) を小さくすることで、相対的にノイズの音量を小さくすることができます。声を途切れさせない定番のアプローチです。
マイクのセッティングのコツ
- 口に向けてセッティング
- 口元から3cm~15cmを目指す
- マイクボリューム (ゲイン) を小さくする
マイクを口元近くに持ってこられれば、マイク音量が小さくて困ることも無くなります。大抵の悩みはマイクを近づけることで改善されます。
マイクアームを導入して解決しましょう。
多くの有名配信者が使っているド定番の重たいマイク向けマイクアーム
低価格でも壊れにくくて軽いマイクでも使える実用的なマイクアーム
声だけ拾わせるには声だけしか拾えないセッティングを行う必要があります。
- ▶ゲームや配信で最適なマイクの距離と位置の解説と快適な音声を届けるために気をつけたいこと
- ▶単一指向性のマイクが環境音を拾わないかどうかは自分の声しか拾わない設定にしたかどうかが重要
- ▶【マイクが環境音を拾わない設定】自分の声しか拾わないマイクの感度設定と適正距離の解説
おすすめの設定と入力感度
ここからは実際にdiscordの音声設定の項目を詳しく解説しながら、最適な設定をおすすめしていきます。
有効化するもの
- 入力感度の自動調整
- エコー除去
- 音量調整の自動化
マイクが適切な距離にあれば最強の設定です。やっていることの内容も理解できればもっとつよつよになれます。
ここからは音声・ビデオ設定の中の項目について詳しく説明します。
音質自体を改善したいならビットレートを高くするしかありません。
デバイスの設定

入力デバイス・出力デバイスは現在使っている入力機器を選択します。管理人の場合はApogee BOOMでマイク入力とPCサウンドのモニタリングをしています。
大きい声で叫ぶと近隣トラブルに発展しかねないので、確認のために自分の声も聞きながら遊んでいます。住むところが無くなるのは困りますからね。

入力音量
- とりあえず100%
- 大きめの声で音割れするようなら90%以下に調整する
出力音量
- とりあえず200%
- 自分が聞く音量なので好みでおk
入力モード
- 音声検出 (マイクが音を拾ったら入力される)
- プッシュトゥトーク (キーを入力している間だけ入力される)
- 用途に合わせて使えばおk
ここまでは難しいことはありませんね。
マイクから離れていなければマイク音量が小さいということは無いと思います。USBマイクの場合でも、マイクがかなり低感度に設計されているので音量は十分に取れるはずです。
オーディオインターフェイスを使っている場合、それでもマイクの音が小さいのであれば、プリアンプのマイクゲインが足りていないかもしれません。
インラインプリアンプを買うか、オーディオインターフェイスを買い替えるかですが、低価格でも多機能で優れたオーディオインターフェイスが増えてきています。インラインプリアンプと価格差がありません。
今ならオーディオインターフェイスの買い替えがおすすめです。
マイクゲイン58dB以上でおすすめのオーディオインターフェイス
XLRマイクを使っている場合は、マイクゲインを確認してみましょう。
入力感度

入力感度は入力感度を自動調整するを有効化します。 (チェックを入れる)

マイクに近づいて適正距離で話していれば問題の発生しない項目です。よほどのことが無い限り、自動調整を有効にしたほうがいいです。
無効にしたほうがいい人の方が少ないです。悪いことは言いません。やめとけ!!!!
そういうわけで、discordの入力感度を自動調整するの仕組みについて説明します。
やっていることはコンプとノイズゲートです。
AG03MK2もコンプが使える有名なオーディオインターフェイス
これを普段からゴリゴリにマイクで遊んでいて『あー、なるほどね!コンプとノイズゲートならオーディオインターフェイスのプラグインから設定しちゃってますわ!』という場合は、有効にしなくてもいいかもしれません。
あくまでこの設定はdiscord単体のコンプとノイズゲートです。
コンプ
- 音の粒を揃える
- 大きい音をなるべく均一にならす
- 聞き取りやすい音声になる
ゲーム中には音量差なんて気にして話さないと思うので、有効にしましょう。
特に大きな声でコールをしたりするのであれば、均一にならして聞き取りやすくしたほうが聞く側からしたら嬉しいです。声が大きいときと小さいときの音量差は、あまり無い方が聞きやすくて認識しやすいです。
ノイズゲート
- 大きい音だけ入力する
- 小さすぎる音は入力しない
- 環境音がカットできる
ノイズゲートは単純に無言時のバックグラウンドノイズ対策として使えます。
例えばエアコンの音や扇風機の音、話していない時や無音であってほしいときにサーとかブォー等のノイズが入力されずに済みます。そんな生活音を聞かせたいわけではないのでカットさせましょう。
ここで、入力感度を自動調整するの項目を有効にすると声が途切れるという場合は、マイクとの距離が遠すぎなせいで、ノイズと声が同じ音量で入力されているということになります。
そうなる場合は、マイクアームを使ってマイクを口元にセッティングしてください。相対的にノイズの音量が小さくなることで、ノイズゲートが正しく機能するようになります。
小さくて軽いマイクにも使える万能マイクアーム
だいたいの方はマイクアームを導入したほうがいいです。
ビデオコーデック

ビデオコーデックは必要に応じて選択しておきます。discord内で配信をする時に必要な設定です。配信予定が無ければそのままにしておきましょう。
音声処理設定

エコー除去
音声処理設定ですが、エコー除去を有効化します。

マイクに近づいて適正距離で話していれば問題の発生しない項目ではあるんですが、マイクから少し離れている場合は確実に有効化してください。
どういう仕事をしてくれるかというと、お風呂場みたいな反響する音の弱体化支援ですね。
所謂、部屋鳴りを整えてなるべく聞き取りやすくしてくれる機能です。リバーブ弱体化という表現が近いと思います。
エコー除去
- 部屋に響く残響感をカットしてくれる
- 空間系の立体感を減らせる
- 声だけが際立ち聞き取りやすくなる
部屋鳴り対策を行っていない場合や、家具が少ない部屋にいる、広い部屋にいるという場合は必ず有効化してください。
マイクから離れていると部屋鳴りをMAX拾うので要注意ですよ。
マイクの位置は正しいセッティングで劇的に高音質へ変わります。
ノイズ対策
ノイズ対策ですが、設定しなくてもいいです。マイクに近づいていて、かつ入力感度を自動調整するを有効化していれば、無音時の環境音は消せます。

ノイズ対策がやっていることはノイズリダクションです。
ノイズリダクション
- ノイズっぽい音を認識して消す
- 無音状態以外でも環境音対策をしたい時に使う
- 聞き取りやすいかどうかは声との相性次第
うるさい環境にいるときは、状況に合わせて使ってください。場合によっては声がノイズの音に似ていたり、ノイズが声と同じ音量で入力されると音声が途切れてしまうかもしれません。
けっこうデジタル臭い音声になるので、最終手段として使うのがおすすめです。
高度音声検出
高度音声検出はできるだけ声のみを拾う設定です。

入力感度自動調整で検出されない場合はオフにします。基本的にはマイクに近づいて話していれば特に気にすることは無いと思います。
音量調整の自動化
音量調整の自動化も有効化します。

これは上で説明したコンプの機能にかなり近いんですが、やっていることはマキシマイザーです。
小さい音の粒を揃えて音圧を上げてくれます。有効化していないときと比べて音量が3倍くらいになります。
マキシマイザー
- 小さすぎる声を多少持ち上げる
- 声が小さい時の音量を揃える
- 聞き取りやすくなる
比較すると分かるレベルで小さい声が一定の音量になります。不意に声量が落ちた時にも確実に聞き取りやすくなります。
マイクとの距離が開きすぎていてノイズと声が同じ音量で入力されていると、ノイズに対して効くのか、声に対して効くのか不安定になることがあります。
マイクからの距離は近く、一定に保つことが重要です。
環境音が気になる場合は、環境音対策が簡単に行えるSHURE SM7BやSHURE MV7のような、ナレーター向けダイナミックマイクを使うのがベストです。
ナレーター向けマイクは視界を遮りにくい設計になっています。音質を求めて歌用のマイクを買ってしまうと視界の邪魔になりやすいです。
コンデンサーマイクよりも邪魔にならない形状で装備も全部乗せのSHURE MV7
配信向けマイクは実用性重視でダイナミックマイクがおすすめです。
その他の設定


あとの項目は好きなように設定して問題ありません。
相手に聞こえる音声に影響する部分は無いので、好みに合わせて設定してください。
音声設定を録音して比較
実際にどこまで差が出るのでしょうか。
discordのサーバー内のボイスチャットで比較した音声があるので、録音とアップロードで音声は圧縮されてしまっていますが、参考として実際に聴き比べてみましょう。
XLR接続のダイナミックマイク sE electronics DynaCasterを、Apogee BOOMというオーディオインターフェイスに接続して録音しました。
パウブロのおすすめ設定
サーバーのボイスチャンネルで、ビットレート 64kbps
有効化したもの
- 入力感度の自動調整
- エコー除去
- 音量調整の自動化
- ユーザー音量85%
マイクから口元の距離は約5cm
パウブロのおすすめの設定は、発声が終わって無言になるとすぐに完全な無音状態になります。
マイクの距離が適正になっていれば音が途切れることはありませんでした。この設定で声が途切れるという場合はマイクの距離が適正ではない可能性が高いです。
音質については若干のデジタル臭さが出てはいますが、ぶっちゃけた話、VCにそこまでの高音質を求めるのでしょうか。聴き比べてようやく分かるレベルの音質差のように思います。

そもそもdiscordは音声が遅延しないようにするためにOpus 64kbpsに圧縮されています。サーバーブーストをしていなければMAXでもOpus 96kbpsです。音質は遅延や途切れを防ぐためにある程度悪い状態です。
それでもビットレートを上げると回線が貧弱なユーザーには悪影響を及ぼす可能性があると、サーバーのボイスチャンネルにも注意書きがありますね。
また、マイクの響きやノイズの少なさという音質は、discordの音声設定よりも、マイクとの距離や位置で大きく変わります。
音質自体を改善したいならビットレートを高くするしかありません。
使用しているマイクとオーディオインターフェイス
▶【sE Electronics DynaCaster】レビュー。コンパクトだけど機能が豊富で音量が取りやすい配信向けダイナミックマイク
▶【Apogee BOOM】レビュー。手頃な価格で配信用途では聞くも話すも圧倒的に高音質で多機能なオーディオインターフェイス
よくあるおすすめ設定
無効化したもの
- 入力感度-100dB
- エコー除去
- 音量調整の自動化
- 音量が小さくなるので相手にユーザー音量を大きくしてもらった
- ユーザー音量200%
マイクから口元の距離は約5cm
発声が終わっても無音状態にはなりません。マイクの距離が適正で必要最低限のゲインにしている状況でこれだけ音声が入力されてしまうので、相手に丸聞こえです。
ゲーム音声でかき消される音量ではありますが、必要の無い音を垂れ流す必要もありませんね。
若干、音質が良いように感じますが、上で説明したようにdiscordは音声が遅延しないようにするためにビットレートがOpus 64kbpsです。そもそも音質が悪いです。
また、配信に乗せるときにオーディオインターフェイスや配信ソフトでノイズゲートやコンプをかけているなら、やっていることはdiscordの各音声設定を有効化したものと同じです。
配信でコンプやノイズゲートを使わないという方にはいいかもしれません。それでもゴーとかサーという音が聞こえ続けるのは第三者からすると不快感を与える原因です。
マイクを近づけていれば、この設定にする必要はありません。
マイクアームを使ってマイクの距離を見直したほうが音質は見違えて良くなります。
邪魔になるのを避けたい場合は、ゲーム向きな形状から選んだほうが良いです。
▶初心者におすすめのマイク6選!ゲーム実況や配信で使うために選んでほしい形状と上手な使い方を解説
まとめ

記事を書いていて気づいたんですが、紹介したのはほぼ初期設定ですね。
有効化するもの
- 入力感度の自動調整
- エコー除去
- 音量調整の自動化
多分、この悩みにたどり着くということは、みなさんマイクが遠いんじゃないでしょうか。マイクはいつでも食べられるくらいの距離が理想ですよ。
マイクのセッティングのコツ
- 口に向けてセッティング
- 口元から3cmから15cmを目指す
- マイクボリューム (ゲイン) を小さくする
それさえ守れれば、discordの初期設定はかなり高度で快適なことをやってくれているということが伝わったと思います。
discordの設定を最大限活かすためにもマイクアームを導入して、マイクを口元近くにセッティングしましょう。お風呂場みたいな反響音も減るので聞き取りやすくなります。
マイクゲインをそのままにして近づけただけだと音割れしてバリバリの音声になるので、必ずゲインも調整し直してくださいね。
芸能人の配信時やストリーマーがこぞって使うド定番マイクアーム
軽いマイクでも使えるお手頃価格で高耐久マイクアーム
マイクの位置を変えたら必ずマイクゲインも見直しましょう。
邪魔になりにくいマイクとマイクアームの使い方も紹介しています。




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